UAゼンセンは毎年、政策・制度に関する諸課題について、UAゼンセンの「綱領」「運動の基本」「2025中期ビジョン」をふまえ、早期の実現を目ざす政策や重要度の高い政策を「重点政策」として取りまとめています。そのうえで、組合員の声を政策・制度に反映するため、関係する省庁に対し、重点政策にもとづいた積極的な要請活動を展開しています。9月22日には、製造産業部門を中心に、経済産業省・中小企業庁に対し、要請を行いました。内容を紹介します。

価格転嫁の推進や医薬品の安定供給など

今回の要請は、製造産業部門が主体となって実施。具体的には、電力料金の抑制や賃上げ促進税制の延長等をつうじた継続的な賃金引き上げを実現できる環境整備の促進をはじめ、適正な価格転嫁の推進、革新的な医薬品・医療機器等を創出し、医薬品等への良好なアクセスと安定供給を支える制度の構築などを求めました。
冒頭、田村まみ組織内参議院議員は、「補助金支給といった一時的な対策ではなく、組合員の生活の維持・向上に資する本質的な課題解決をお願いしたい。そのために、本日共有する加盟組合の現場の声を生かしてほしい」と力強く訴えました。
また、田村議員は、適正な価格転嫁の推進に言及し、製造産業部門が実施した価格転嫁の状況等に関する調査を示し、「原材料やエネルギーコストの価格転嫁は進みつつあるものの、労務費の価格転嫁はなかなか進んでいない。UAゼンセンでは、このような状況を引き続き調査し、実態の改善に努めている。現場の実態を政府の政策に反映してほしい」と提起しました。
田村議員の提起に対し、経済産業省・中小企業庁の担当者は、「価格転嫁の状況については、同じ認識を持っている。いただいた声を生かしたい」旨、回答しました。

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UAゼンセンの現場の声を力強く伝える田村参議院議員(左から2人目)

取引慣行を含めた抜本的な改善求める

その後、製造産業部門の担当者を交え、具体的な要請項目に関する意見交換を実施。
意見交換のなかでは、製造産業部門で本年7~8月に実施した価格転嫁の状況に関する調査内容の詳細を報告しました。具体的には、繊維素材、繊維加工、染色の業種を対象に、51組合から集約した回答のなかで、本年1月と比較して94%の組合が「さらにコストが上昇した」と回答したことを指摘。一方で、価格転嫁に必要な価格交渉は82%の組合が「進展したが不十分」と回答したことをふまえ、価格転嫁の必要性を提起しました。
加えて、価格転嫁の進まない理由について、「コスト上昇に価格が追いつかない」という回答が全体の47%を占め、いまだに「価格交渉に応じてもらえない」という回答も28%ほど存在していることを受け、「将来を見据えた価格転嫁を継続していく必要がある」と訴えました。さらに、「企業規模による状況の違いや取引慣行改善などの視点も持ちながら、価格転嫁を推進することが重要」と提起しました。

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田村まみ組織内参議院議員 プロフィール

1976年生まれ。1999年、ジャスコ(現・イオンリテール)に入社。食品スーパーのマックスバリュでデイリー部門(豆腐や納豆)ひと筋に勤める。2006年組合専従(中央執行委員)。2019年7月の第25回参議院議員選挙(比例代表)で初当選。厚生労働委員会、議院運営委員会、消費者問題特別委員会などに所属。2025年実施の第27回参議院議員選挙(比例代表)の組織内候補者として、働く仲間の声を聴きながら、政策実現にまい進中。