組合員113万名超の賃上げが決定【4月3日現在】
かつてない物価高騰が続くなか、2023賃金闘争は既報のとおり、闘争の相場づくりを担うAグループ(ヤマ場3月15日)が相次いで高額で妥結した。この流れを引き継ぎ、中小組合を中心としたBグループ(3月22日)・Cグループ(3月31日)が懸命な交渉を展開。4月3日午前10時現在、UAゼンセン全体で物価上昇分に見合う賃上げが続いている。
懸命な交渉の成果が続々!
2023賃金闘争では、物価の高騰により、生活が疲弊しているなか、日々職場で頑張っている仲間の切実な声を背に、各組合は仲間の暮らしを守るために懸命に交渉を展開している。
中小組合を中心としたB、Cグループがヤマ場(集中回答日)を終えた4月3日午前10時現在、UAゼンセン組合員約186万名のうち、113万名強の組合員の賃上げが決定した。
正社員、短時間(パートタイム)組合員の妥結とも、UAゼンセン結成(2012年)以後の2013賃金闘争から昨年までの実績を大きく上回り、最も高い賃上げを実現。要求水準を引き上げて交渉したことが高い妥結水準に結びついている。
正社員一人平均で1万2350円増
正社員は415組合が妥結。加重平均(組合員一人当たり)で1万2350円(4.16%)の引き上げとなり、昨年3月末の7181円(2.41%、293組合)を妥結水準、妥結組合数ともに大きく上回った(89組合が満額で妥結)。
対前年同組合比較では、前年を5728円(1.90%)上回っている。
賃金体系維持が明確な226組合の賃金引き上げ分(ベア等)は加重平均で7731円(2.54%)で、昨年3月末の2356円(0.78%、166組合)を大きく上回った。物価上昇分に見合った賃上げへの努力が成果を上げている。
初任賃金の改定も大きく前進
また、初任賃金(初任給)は、高卒(171組合)で7655円(4.2%) 、大卒(192組合)で1万113円(4.7%)の引き上げとなり、改定が大きく進んでいる。さらに企業内最低賃金は150組合が平均7397円(4.1%)の引き上げを獲得。
これから交渉が始まるDグループ(5月31日解決目標)をはじめ、未解決組合もこの流れに続き、力いっぱい交渉し成果を上げよう。
パート・契約社員も大幅な賃上げ
パートの賃上げが8年連続正社員上回る
UAゼンセン組合員の約6割を占める短時間組合員の賃上げも大きな成果を上げている。
パートタイム組合員の賃上げは177組合で成果を上げ、時間当たり59.2円(5.68%)の引き上げを獲得。正社員の4.16%(加重平均)を大きく上回った。これで8年連続、率で正社員の引き上げを上回り、雇用形態間の格差是正の流れが加速している。とりわけ賃金引き上げ分(ベア等)については、4.74%(49.2円)と物価上昇分を大きく超えている。
また、契約社員の賃上げは51組合が妥結。加重平均で月額9164円(4.10%)の引き上げとなった。対前年同組合比較では4772円(2.12%)上回っている。