UAゼンセンの組合員の皆さんに報告します
ラオスの子供達に小学校を贈りました
アジアの最貧国ラオスでは、政府の教育予算が限られ、学校に通えない子供が数多くいます。UAゼンセンは2022年秋、結成10周年にあたり、社会貢献活動(ボランタス活動)としてラオスに小学校を寄贈することを決めました。このプロジェクトは、組合員の皆さんの会費によって支えられ、このほど寄贈が完了しました。新しい校舎で元気に学ぶ子供達の姿や小学校ができたことによって活気が生まれた村の様子をUAゼンセン運動推進局の中村秀良さんがレポートします。
【トップ写真】ハッパン村の小学校で子供達の大歓迎を受ける一行


最貧国ラオスにおける小学校の必要性
ラオス人民民主共和国は日本の本州と同じ面積で、人口は744万人。ラオ族を中心に50の民族が暮らし、仏教が生活に根ざしている。識字率は約8割で、地方では学校に通えない女性や子供が多い。ベトナム戦争最大の被爆国でもある。

2024年9月 新学期に合わせて小学校が完成・引き渡しへ
アジア連帯委員会(CSA)と連携し「ラオス小学校建設プロジェクト」の26番目校にへ
UAゼンセンは小学校の建設にあたり、長年ラオスを支援しているアジア連帯委員会(CSA)と連携して行いました。CSAが1995年から実施している「ラオスにおける小学校建設プロジェクト」の26番目の学校として建設資金を提供。2024年9月に完成し、同年11月に引き渡し式を行いました。
【アジア連帯委員会(CSA)】
ベトナム戦争終結後、新体制(共産主義)による迫害を恐れてベトナム、ラオス、タイから逃れ、日本に定住したインドシナ難民を支援する目的で1981年「インドシナ難民共済委員会」を設立。1990年代、難民の祖国帰還とともに、貧困などに苦しむアジアの人々の支援活動に移行。96年、アジア連帯委員会に名称変更。救援物資を贈る運動や小学校建設・補修事業、教育支援事業を展開している。

ラオスの片田舎の村に、明るい未来の芽を届ける
校舎引き渡し後1年点検視察団報告 UAゼンセン運動推進局 中村 秀良
小学校の引き渡しから1年
UAゼンセン結成10周年を機にボランタス活動で取り組んできたラオス小学校建設・寄贈プロジェクトは、2024年9月に校舎が完成。同年11月には、永島智子会長が現地で校舎の引き渡し式典にのぞみ、歓声のなか、子供達に学び舎を届けることができた。
今回のプロジェクトは、完成1年後の校舎の状況を確認して完了となる。国内外のボランティア活動において、「木を植えて終了」「建物を造って受け渡して完了」という活動が多いなかで、手間はかかるとも、しっかりとした学校を届けるために完成後の視察も含んで協定を結んでいることは素晴らしいと思う。こうして1年ぶりにラオス・ハッパン村を訪問した。
実際の距離以上に遠い国
ラオスへは、日本から直行便がないため、どこかの国を経由しなければならない。今回の派遣団も、羽田を深夜の飛行機で飛び立ち、タイを経由してラオスへと向かう。往路はトランジット(乗り継ぎ時間)を含めて約12時間、復路については18時間という長い時間を要し、ラオスという国が、実際の距離以上に遠い場所だと感じさせる。5日間の日程にもかかわらず、ホテル宿泊は2泊という強行軍も、2回目ともなればすっかり慣れてしまった。
タイ行きの飛行機は夜行便にもかかわらずほぼ満席。ウトウトし始めたころ、夜明け前のバンコク・スワンナプーム空港に無事到着した。アジアの玄関ともいえる巨大なハブ空港で、「座んな!プーム」という名前のわりに空港内には無数の椅子が用意されている。陽が高くなるころ、ようやく次の飛行機の搭乗時刻となる。ラオスの古都ルアンパバーンは自然と歴史に満ちた世界遺産の都市ということもあり、ことしも機内は欧米からの高齢の旅行者で埋まっていた。90分ほどのフライトで、こじんまりしたルアンパバーン空港に到着。コーディネーターを務めてくれるCSAの現地スタッフであるチャオさんと合流した。

ハッパン村へ悪路を走る
いよいよハッパン村の小学校へ。出発時間前にホテルの玄関にいると、早めに到着したドライバーさんが朝市で買ってきたという「茹でピーナッツ」を分けてくれた。薄い塩味で美味しい。寡黙だが、ところどころ見せる行動やしぐさから、やさしい人だと伺える。
現地までは2時間弱の道のりだが、昨年かなりの悪路であったため覚悟していたところ、チャオさんからハッパン村までの道路が少し改善されたと聞き、胸をなでおろした。しかし、車で出発して15分、早くも道路はボコボコになり、移動の間じゅう、昨年以上の大きな揺れに派遣団全員が苦しむこととなった。
やっとの思いで村に到着すると、校舎の周りは静まり返っている。子供達が学校に来ていないのかと心配になったが、現在は授業中とのこと。勉強の邪魔をしないように、校長先生と建設会社の社長さんの案内で、校舎のさまざまな箇所を点検して回った(後日、その際に伝えた細かい部分の修繕を実施した旨の報告が画像付きで届いた)。

元気に学ぶ子供達と再会
点検が終わるころ、校舎前に用意されているタイヤのホイールを先生がたたくと、大きな音が周囲にこだました(チャイムの代わり)。それを合図に校舎から大勢の子供達が校庭に飛び出してきて、私達の周りに笑顔で集まってきた。少し照れながらも、こちらが気になる様子。「サバイディ(こんにちは)」と現地語で挨拶すると、「サバイディ」「ハロー」と口々に応えてくれる。あっという間に派遣団は子供達に囲まれ、さながらアイドルになったようである。
パッと見回しても、1年前に比べて子供の数が明らかに増えていた。校長先生によれば、新しい学校ができたという噂を聞いて多くの人達が学校の近くに引っ越してきたため、この1年で児童数が非常に増えたそうだ。私達のボランタス基金で新設した学校が子供達に学びの場をつくり、地域コミュニティーを広げたという事実を前に、誇らしさ以上にうれしさを感じた。
子供達とコミュニケーションを取っていると、またタイヤのホイールをたたく音。休み時間が終わり、授業が始まる。校庭の子供達が名残惜しそうに教室へと戻っていく。あっという間に出発時刻となり、校長先生から御礼の挨拶を受けた。先生の数が足りていないと聞いていたが、厳しそうな先生が多くいらして、今後の運営に頼もしさを感じながら学校を後にした。
経済発展から取り残されたラオスへCSAと連携し、息の長い支援を届ける
ボランタス活動に誇りを持って
今回の視察では、私達のボランタス基金で建てられた小学校が、遠くラオスの片田舎の村の一角に学ぶ場所をつくり、現地の子供達のはじけるような笑顔を生み、また、その地域に子育て世代が移住し、新たなコミュニティーがつくられたことを、この目で見、肌で感じることができた。このことをUAゼンセン加盟の全組合員の方々にお伝えしたい。
ボランタス活動の基本的考え方には「国内外に目を向ける」「継続的な活動」がある。今後もCSAの協力を受けながらハッパン村、ラオスという国を見守っていきたい。


