※購読部数は2024年2月19日現在

全国のマルハンのパチンコホール(北日本・東日本・西日本カンパニー)のなかから3店舗を紹介します。はじめに訪れたのは北海道北見市の端野店です。店長を務める村瀬暁さんは網走店時代から、UAゼンセン北海道支部の活動に積極的に関わり、仲間に組合活動を広めています。

地域に根ざした店づくりで 愛されるパチンコホールへ

お客さまが楽しめる〝大人の社交場〟を スタッフ一丸となって目ざす

北国の気さくで温かいお客さまに感謝し 快適で健全な店づくりを行う

道東観光の玄関口・女満別空港からバスで40分、雪深いマルハン端野店を訪ねた。村瀬暁さんは昨年2月から北海道北見市内にある端野店と北見店の店長を兼務する。暖かな店内で村瀬さんの優しい笑顔に迎えられ心身ともに温かくなった。
前日に新台の入れ替えがあったそうで、店内は大変なにぎわい。お客さま同士が交流している姿や仲間に気さくに声をかける姿、雪で濡れたフロアをモップでつねにきれいにする仲間達の姿が印象的だった。そんななか、村瀬さんは新台導入に伴う警察官の確認に対応していた。「健全な産業であるために欠かせないルールです」と話す。
村瀬さんが網走店(北海道網走市)の店長として北海道に赴任したのは7年前。それまでは14年間、静岡県内の店舗に勤務していたそうだ。雪国での生活に不安もあったが、なによりも「〝よそ者〟をお客さまに受け入れてもらえるかが不安だった」と振り返る。しかし、北海道のお客さまは「どこから来たんだ」「えらいとこ来たな」と気さくに声をかけてくれる方ばかりで、「温かく迎えてもらえたことに感謝しています」と語る。

UAゼンセンの仲間で良かった 交流をつうじて地域貢献が実現

UAゼンセンの活動をつうじて 仲間とつながり地域に貢献

そうしたなか、村瀬さんは地域に貢献できることはないかと模索していた。ユニオンの北海道地域を担当する中央執行委員に相談したところ、UAゼンセン北海道支部網走地域協議会に参加させてもらえることになった。そこで、平賀貴幸準組織内網走市議会議員と出会い、放課後等デイサービス事業や就労支援事業などを展開する「NPO法人とむての森」(労働組合はUAゼンセンの仲間)を紹介してもらった。お客さまのご厚意により返却いただいた端数玉賞品の寄付をスタート。また、コープさっぽろ労組の仲間とも知り合い、コープさっぽろが行っている海岸清掃活動にも店舗の仲間と共に参加。「UAゼンセンの活動をつうじて人脈や知見が広がり地域に貢献することができ、マルハンを知ってもらう機会にもなりました」と村瀬さん。
現在、端野店には22名が勤務する。スタッフが一丸となってお客さまが居心地よく楽しめる店づくりに取り組んでいる。「”大人の社交場”のような役割を目ざしていきたい」と村瀬さんは力を込めた。 

みずからYuaiを活用し 店舗の仲間にも魅力を伝える

『Yuai』11月号が初めて店舗に届くと、村瀬さんは隅々まで目を通したそうだ。他業種の仲間のことや政治活動などが分かり、とても参考になる冊子だと思ったという。なかでもお便りの投稿に目が留まり、「DCMなどなじみがある企業の組合名を目にして親しみを感じました」と話す。
まずみずから活用しようとクロスワードパズルを応募することに。綴じ込みハガキを手にした際、なにか書かなければと思い、娘さんが大好きなポケモンのキャラクターを描いて投稿した。学生時代にマンガ研究部で活動していたこともあり、イラストを描くことが好きだったそうだ。イラストは12月号に掲載され、「仲間が上手だとほめてくれました」と照れくさそうに語る。
店舗の定例のミーティングでは仲間達に『Yuai』の購読開始を伝え、職場委員を務める池野修司マネージャーと共に組合活動についても広めている。さらに、休憩時間には「みんなでイラストを描いて投稿しよう」と呼びかけているそうだ。

綴じ込みハガキを使用し、イラストを描く村瀬さん

続いて紹介するのは、東京・足立区堀之内にあるマルハン鹿浜店。マルハンユニオンの尾花道徳書記長に同行していただき、開店間もない店内に入ると、ワクワクするような活気にあふれていました。マネージャーを務める中山和哉さんとともに、以前から『Yuai』の愛読者だという土田由里子さんが笑顔で待っていてくれました。

お客さま思いのスタッフが待つ温かいパチンコホール

いつもの笑顔に出会える場所 地域の”コミュニティーセンター”に

中山和哉マネージャーは、昨年10月に鹿浜店に異動してきた。最初に感じたのが、ホールの温かい雰囲気だったそうだ。「スタッフ全員が明るく元気で、とても〝お客さま思い〟だと感じました」。
中山マネージャーは、印象的なエピソードを一つ紹介してくれた。
「あるお客さまが、ケガのために久しぶりに来店されたときのことです。心配していたスタッフ達が、インカムで来店を伝え合い、心から快復をよろこんでいた姿が忘れられません」。
鹿浜店は、赤羽駅や王子駅などの主要駅から少し距離があるため、お客さまは店舗の近隣や足立区内など地元の方が多いそうだ。「常連のお客さまは『会いに来たよ』と、声をかけてくださいます」。
鹿浜店では地域への感謝を込めて定期的な清掃活動を行うほか、お客さまから寄付していただいた賞品のお菓子を地元の養護施設や老人ホームに寄贈している。さらに地域の飲食店とコラボした会員向け割引サービスなども導入しているそうだ。

楽しく、安心・安全、健全に サスティナブルなパチンコ産業目ざす

毎朝7時、鹿浜店では午前10時の開店へ向けた準備が始まる。清掃や保守点検を担うのは、マルハングループのエムエムインターナショナル(ユニオンはUAゼンセンに加盟、組合員数約1600名・福岡法和委員長)の仲間達。午後11時の閉店後も、同様に入念な作業が続く。
快適、安心・安全な遊技環境とともに、業界全体で力を入れているのが”節度ある遊技”の呼びかけだそうだ。鹿浜店でも依存問題に対する啓発・予防の取り組みの一つである「自己申告・家族申告プログラム」を受付カウンターで案内している。これは、一日に遊技に使う金額の上限を設定したり、遊技を行う時間を設定したりするもので、家族が申し込むこともできるそうだ。また、子供の車内放置事故を決して起こさないために、日々巡回警備を徹底していると語る中山マネージャー。店舗の入り口にも注意喚起のポスターが掲示されていた。
「サスティナブル(持続可能)なパチンコ産業を目ざして、緊張感と責任感を持って取り組んでいることをぜひ知ってください」。

楽しく読みながら 連帯感や安心を実感

鹿浜店では、事務所の休憩スペースが『Yuai』の定位置になっている。マルハンユニオンでは昨秋まで組合役員だけが『Yuai』を購読していたが、鹿浜店には執行委員の一人が勤務していて、毎月、『Yuai』を読み終えると休憩スペースに置いていたそうだ。休憩時間に『Yuai』を手に取るうちに、すっかり愛読者になってしまったと話すのは土田由里子さん。いま楽しみにしているのは、連載エッセーの「バイト、ときどき吉本芸人」だそうだ。漢字クロスワードパズルにも必ず挑戦し、先日は図書カードが当たったと微笑む。
『Yuai』をつうじてUAゼンセンという大きな組織の一員であることを感じ、安心感を覚えると語る土田さん。娘さんもUAゼンセンの仲間であるソラストユニオンで専従書記として働いていて、『Yuai』の話題で盛り上がるそうだ。

休憩時間に『Yuai』を手に取る短時間組合員の土田由里子さん

3店舗目は、兵庫県明石市にある明石大久保店です。パチンコとスロットを合わせて960台を備える大型店で、店長を務める石橋美紀彦さんを訪ねました。店長として店舗を切り盛りする傍ら、ユニオンの中央執行委員としても活躍。仲間の声を集め、労働条件の改善に精力的に取り組んでいます。

お客さまが楽しめる 地域のコミュニティーに

多くのお客さまが通う 昔ながらの趣が残るパチンコホール

JR神戸線・大久保駅から歩いて5分、幹線道路沿いにマルハン明石大久保店の大きな建物が見えてくる。次々と車や自転車でお客さまが来店していた。出迎えてくれた石橋美紀彦店長と共に広い店内を進む。「大盛況ですね」と話すと、「午後2時現在、400名のお客さまが遊技を楽しまれています」と微笑む。多いときは1日延べ1000名を超えるそうだ。店舗では年配のお客さまが多いことから、昔ながらの玉積み方式を採用しているとのこと。各列に設置された赤いランプが点滅すると、仲間がお客さまのもとへ駆けつけ、玉が満杯になったケースを座席の周りに積んでいく。そこかしこに積み上げられている様子は、「これぞパチンコホール」といった雰囲気だ。

仲間の声を吸い上げ さまざまな改善に取り組む

石橋さんは勤続23年。奈良、大阪、兵庫の店舗を経験し、店長として11年のキャリアを持つ。4年前から明石大久保店の店長を務め、スタッフからの信頼も厚い。ユニオンの中央執行委員に就任したのは5年前。以来、地域の仲間の声を集めることに力を注ぎ、会社に届けている。先ごろも、西日本地域の定例の労使協議会で、転勤時の社宅の選択について改善を訴えたところ、要望が叶えられたそうだ。また、店舗の大小に左右されない店長の公平な評価基準の見直しを求め、制度の改善にこぎ着けた。「会社も社会も声を上げなければ変わりません。これからもマルハンで働いていて良かったと思ってもらえるよう、取り組んでいきたい」と意欲を語る。
コミュニケーションを大切にする石橋さん。「お客さまからもスタッフからも気軽に声をかけられる存在でありたい」と話す。最後に「お客さまをつなぎ、楽しんでもらう場を提供し、地域のコミュニティーのような存在であり続けたい」と目を輝かせる。

『Yuai』誌のPRに努め 組合活動を広めていきたい

以前から、中央執行委員のメンバーには『Yuai』誌は配布されていたが、今回、全店に配られるようになり、「大歓迎です。組合活動を広めるうえでも心強い」と語る石橋さん。「私達執行部や職場リーダーのメンバーが、職場の仲間に『Yuai』をPRしていかなければなりません」と思いも語る。
 石橋さんが毎月楽しみにしている誌面は、「Yuai版 孤独のグルメ」と「私の主張」だそう。2023年10月号の「私の主張」では、同じパチンコ業種で働いていた、まるみつユニオンの神﨑誠さんの体験談が胸を打ち、「病気で休業する仲間をサポートするうえでも参考になりました」と話す。
まだまだ若いスタッフに組合活動が浸透できていないと感じることが多く、政治についても関心が薄い仲間が多いと感じているそうだ。「『Yuai』誌やユニオンの機関誌『絆』をつうじて、組合や政治に興味を持ってもらえるように取り組んでいきたい」と熱意を込める。

Yuai2月号が届き、さっそく仲間にPRする石橋さん