多様性を尊重し、心理的安全性の高い職場を!
UAゼンセンには、性別や年齢、働き方など、多様な属性を持つ組合員が集まっています。さまざまな組合員が個性を発揮し、一人ひとりが活躍できる職場と社会の実現には、アンコンシャス・バイアスの解消が必要です。UAゼンセン多様性協働局では、本年6月16日に初となる「アンコンシャス・バイアスセミナー」を開催しました。本誌でその内容を紹介します。
講師プロフィール 株式会社アパショナータ パク スックチャ 代表 日本生まれ、韓国籍。米国ペンシルベニア大学経済学部卒。シカゴ大学MBA(経営学修士)取得。 日本と米国の米国系企業において、人事のスペシャリストとして活躍。2000年より、ワーク・ライフ・バランス推進のコンサルタントとして独立。現在、ダイバーシティ推進やアンコンシャス・バイアス解消などの第一人者として、年間200本以上の講演を実施している。専門分野に関する著書多数。
アンコンシャス・バイアスとは? 自分自身が気づかずに持つ 偏ったものの見方や考え方 無意識の偏見や決めつけなど
無意識の偏見は、社会の分断につながる
近年、SNS等で拡散される根拠のない言説や批判が問題視されています。このような社会問題の背景にはアンコンシャス・バイアスがあります。
上のように根拠のない情報を発信したり、それをむやみに拡散したりすることは、不必要な対立を生み、社会の分断にもつながる危険な行為です。アンコンシャス・バイアスを意識し、このような行為を未然に防ぐことが大切です。
Ⅰ. なぜ、アンコンシャス・バイアスが生まれるのか?
もともと、アンコンシャス・バイアスという考え方は、米国で発展しました。そのころ、米国では大学卒業者に占める女性割合が、初めて男性割合を上回りました。しかし、企業における上級マネジャー(管理職)の男女比を見ると、依然として男性が優位な状態が続いていました。また、このようなトレンドは、移民と非移民の間などにも共通して見られました。
このことから、女性や移民など「少数派」の社会参加を阻む要素として、無意識の偏見=アンコンシャス・バイアスがあるという考えが注目され始めたのです。
自覚していなくても、
無意識の偏見はだれにでもある
ブラインドオーディションの実例
アンコンシャス・バイアスを意識的に改善することが重要
ある楽団では「男女問わず実力主義で演奏者を採用する」という方針を掲げていました。しかし、実際に採用されたのは男性の演奏者ばかり…。
そこで、下のような採用形式を導入し、評価者の判断基準を「演奏」に絞る試みが行われました。すると、男女の採用比率は一気に逆転しました。これは、アンコンシャス・バイアスを意識し、その影響を抑えることの重要性を明らかにした実例です。
Ⅱ. アンコンシャス・バイアスを解消すると…
一人ひとりの気づきで ダイバーシティ&インクルージョンへ!
アンコンシャス・バイアスを解消することは、ダイバーシティ&インクルージョンの実現につながります。ダイバーシティ&インクルージョンを図示すると、上のイラストのようになります。
言葉で説明すると、私達の職場や社会は、多様な個性を持つ人々で構成されています。これが「ダイバーシティ」です。そのうえで、その一人ひとりが互いに個性を生かし合い、活躍できる状態が「インクルージョン」です。まずは第一歩として、下の7つの項目で自身のなかにあるアンコンシャス・バイアスに気づきましょう。
築こう!アンコンシャス・バイアスのない職場を
アンコンシャス・バイアスのない職場づくりには、「心理的安全性」という考え方が必要です。
心理的安全性の高さは、仕事の生産性向上につながるという調査結果もあります。心理的安全性を高めるために、まずは自分の所属する職場の点検から始めてみましょう。「心理的安全性の高い組織の共通点」を参考に、自身の周囲を確認してみましょう。そのうえで、下に示した5つのポイントを実践することで、職場のなかでアンコンシャス・バイアスの解消を進めましょう!。
多様性協働局では、男女共同参画推進などさまざまな課題の解決へ向けて、積極的な情報発信を行っています。まずは下記QRコードからLINEにご登録ください。