アークミールユニオン初のPA執行委員としてイキイキと活躍する6名の仲間のうち、3名の方の職場を訪ね、店舗で働いている姿や忙しいなかでも組合活動に取り組む思いなどを紹介します。

短時間組合員の活躍①

どん亭高崎店 PA執行委員・エリア長 越塚 こずえ さん

明るい笑顔が印象的な越塚こずえさん。群馬県高崎市在住。長男と長女は結婚して家庭を持ち、現在は夫と二人暮らし。休日は趣味のガーデニングに精を出す

〝組合活動は楽しい!〟この思いを仲間に広めていきたい

平日の午後2時半、越塚こずえさんが勤務する「どん亭高崎店」(群馬県高崎市)を訪ねると、ランチを楽しむ女性やグループのお客さまで賑わっていた。どん亭はしゃぶしゃぶとすき焼きの専門店で、熟成させた牛肉を一番おいしい状態で提供し、手ごろな価格で堪能できることから人気を得ている。「ランチは午後4時までゆっくり楽しめます」と微笑む越塚さん。笑顔を絶やさず、ひと時も動きを止めない。お客さまに料理を届け、食事が済んだテーブルを片づけ、レジでお客さまに対応し、キッチンに入ると食器を洗っていた。

店舗の営業時間は午前11時~午後11時(金土日祝は午後11時半)で、越塚さんの勤務は月~金曜日の午前9時半~午後3時。夜の時間帯を担当する店長に代って、勤務時間内は責任者を務めている。店内の隅々に目を配り、ホールでの接客からキッチンのサポートまであらゆる業務をこなす。
「人とふれ合うのが大好きです」と語る越塚さん。高校卒業後、どん(当時は別会社)に入社し、ステーキのどん高崎北店で4年間勤務した。結婚を機に退職し、長男、長女に恵まれ、長女の幼稚園入園を機に、当時のフォルクスで、パートタイマーとして働き始めた。その後、どん亭への業態変更を経験し、勤続22年のキャリアを持つ。

仕事も家庭も組合活動もつねに明るくポジティブに

組合活動に携わるようになったのは2015年から。当時、エリア長を務めていた店長から、「組合でパートの仲間のエリア長を必要としている」と頼まれ引き受けた。「エリア長会議は子供が小さくても参加しやすい時間帯に開催してくれたので助かりました」と越塚さん。しかし、出席しても頭のなかは“?”マークだらけだったそうだ。回を重ねるうちに、「皆さんから組合費をいただいて活動している。しっかり勉強して、職場委員とも信頼関係を築き、現場の声を届けていかなければ」と意識が変わったそうだ。

前向きに活動に取り組み、知識を吸収しながら3年が経ったころ、エリア内のパートの方から会社や店長に対する不満の声が寄せられた。越塚さんはその方の様子からすぐに対応したほうが良いと判断し、西村副委員長(当時)に連絡して直接会って話をする旨を了承してもらった。「お顔を見ながら改めて話を聞き、組合で対応できることを伝えると落ち着かれました」。その後、職場で問題なく勤務されたそうだ。この経験から、声を上げる場があること、それに応える組合があることの重要性を実感したという。

その後、特別委員、PA執行委員を兼務し、活動内容や要求内容を具体的に仲間達に伝えるようにしている。先ごろは業務用靴が変更されたことを伝えたそうだ。「苦労はありますが、組合活動はやりがいがあり楽しい!」と瞳を輝かせる越塚さん。この思いを多くの仲間に広めていきたいと力を込める。「組合活動をためらっている方がいたら、ぜひチャレンジしてほしい」とエールを送る。

組合活動
多くの経験・研さんを積み
仲間の声に応える
UAゼンセン埼玉県支部総会では副議長を務めた。組合の代表としての責任を感じながら円滑な議事進行を行った
「PA執行委員の仲間がいたから続けてこられた」と語る。今期からPA執行委員が機関誌『かけはし』の誌面を担当することになり、花のフォトコンテストのラフを金丸洋輔副委員長に説明する様子
短時間組合員の活躍②

ステーキのどん城東古市店 PA執行委員・エリア長 大橋 静香 さん

自慢の料理を届ける大橋静香さん。大阪市旭区在住。娘の琳さんと2人暮らし。高校時代から飲食店でアルバイトとして働き、外食の仕事にやりがいを感じていた

ダブルワーク プラス 組合活動 何事も前向きに全力投球

地域で愛され続けている「ステーキのどん城東古市店」(大阪市城東区)で、キッチン(調理)を担当している大橋静香さん。「忙しいときは接客も行います」と、穏やかに微笑む。

大橋さんは、平日と土曜日の朝から夕方までは「介護福祉士」(正社員)として介護の職場で働き、木・土曜日の午後6時~9時と、日曜日の午前11時~午後9時は、城東古市店でパートタイマーとして働いている。
結婚後、子育てをしながら、2006年6月の城東古市店のリニューアルオープンから働き始め、間もなく勤続18年目を迎える。当初は週5日勤務でホール(接客)を担当していた。シングルマザーとなり幼い子供を抱えるなか、資格を取得し、正社員として生涯働き続けたいと思い、2010年に興味のあった介護業界へ。一方で、愛着のある城東古市店で役に立ちたいという思いもあり、二つの仕事を両立する道を選んだ。

「働くことが好きで苦になりません。働く場を与えていただきありがたいです」と大橋さん。さらに「異なる仕事に従事することで気分転換ができ、また広い視野から物事を捉えることができるようになりました」と話す。

仲間の声を活動に反映し より働きやすい職場環境へ

組合活動には、当時の店長(組合ではエリア長)から声をかけられ関わるようになった。2015年にエリア長に就任し、各店舗の職場委員と連携して、仲間の声に耳を傾け、寄り添っていくことを心がけてきた。大橋さんは、エリア長会議に出席することが楽しみと語り、「組合活動だけでなく、他店舗の情報なども得ることができ、些細なことでもお店にフィードバックすることができる」と話す。例えば、フリードリンクコーナーの飲み物の配置や、お客さまのキャッシュレス決済の確認方法などの良い事例を店長に報告し、取り入れてきたそうだ。

昨年の大会で大橋さんはPA執行委員(エリア長兼務)に就任した。活動の幅が広がり、責任が増したが、「私は少し負荷がかかったほうが力を発揮できるタイプで…。周りの協力を得ながら活動を広め、役割を全うしていきたい」と語る。また、機関誌『かけはし』の制作に初めて携わり、「皆さんの興味を引く誌面づくりに尽力していきます」と意欲を示す。全国のPAの仲間達へのメッセージをうかがうと、「まずは組合の行事に気軽に参加し、楽しんでほしいですね」と思いを込めた。

取材を終えようとしたとき、一人娘の琳(りん)さんを紹介してくれた。同じお店でアルバイトとして働いているそうで、長年仕事も組合活動もイキイキと務めているお母さんの姿を見て、この職場で働いてみたいと思ったそうだ。親子で一緒に働く姿は、とても微笑ましかった。何事も前向きな大橋さん。“できることを精いっぱいやる”をモットーに、熱い思いを持って歩みを進めている。

PA執行委員就任へ向けて、昨年5月に1泊2日で開催した合宿の様子。6名のメンバーが、1年かけて労働組合の基礎知識や、PA執行委員の役割、活動などについて学んだ。ホワイトボードに活動目標を書き出し、発表する大橋さん。
短時間組合員の活躍③

フォルクス上新庄店 PA執行委員・エリア長 澤田 さとみ さん

温かい笑みをたたえる澤田さとみさん。大阪市東淀川区在住。店舗から自転車で5分ほどのところに夫と暮らす。長男と次男は結婚し、「孫が9人います」と微笑む

仲間とのつながりを原動力に仕事や組合活動にまい進

平日の午後2時、フォルクス上新庄店(大阪市東淀川区)は家族連れやカップルでほぼ満席で、お客さまの笑顔があふれていた。澤田さとみさんは、熱々のハンバーグを温かな笑顔とともにお客さまのもとへ届けていた。
神戸屋(労働組合はUAゼンセンの仲間)で社員として働いていた澤田さんは結婚を機に退職。その後、子育てに専念したが、30歳を目前に再就職を決意。子供が幼少ということもあり、なかなか働く先が決まらなかったなか、知人から上新庄店を紹介されたという。勤務時間の希望を聞いてもらうことができ、パートタイマーとして働き始めて26年余りが経った。「働きやすい職場です。仲間に恵まれたおかげで長く勤めることができました」と感謝する。

週5日(午前11時~最長午後9時)の勤務でホール(接客)を担当。店長不在の際は責任者を務め、スタッフの“要”を担う。「お客さまにフォルクスに来て良かったと思っていただけるように皆で頑張っています」と話す。澤田さんは、前委員長からの強い勧めで組合活動に携わるようになった。「当初は、労働組合のことがよく分からず、言われるままにやっていました」と振り返る。その後、経験を積み、理解を深めるなかで活動にまい進し、エリア長や特別委員として活躍してきた。

澤田さんのようにパートの仲間が組合の役職に就いたことで、現場の声を一層会社に届けることができるようになった。その結果、飛沫防止アクリル板の入れ替えや、料理を提供するカートの新調など、仲間の要望を実現してきた。「会社に声を上げ続けることが大事ですね」と思いを込める。

「お客さまに満足していただきたい」 皆で思いを一つにし業務に励む

澤田さんは昨年10月の定期大会でPA執行委員(エリア長兼務)に就任した。「より働きやすい職場環境など仲間の思いを実現させていきたい」と抱負を述べる。また、学生の仲間に対しては「組合費についての声をよく聞きます。組合行事に参加する際は補助金が出るなどメリットを根気良く伝えていきます」と話す。今期から担当になった九州エリアの店舗回りも予定しているという。

先日、組合の機関誌『かけはし』の取材で、リニューアルオープンしたばかりのフォルクス高石店を訪問した。その際、店舗で働くスタッフを見てハッとしたそうだ。「元気にイキイキと働く姿を見て初心を思い出し、気持ちを新たにしました」と語る。
組合活動を続ける原動力をうかがうと、「仲間との良い人間関係です。これは仕事も同様です」と即座に答える。さらに、「組合活動をつうじて、さまざまな地域や業種の皆さんとのつながりができ、とても楽しいです」と実感を込める。

「実はめっちゃズボラなんです」と微笑む澤田さん。気負いがなく自然体で、自分の時間を工夫しながら組合活動に取り組んでいるから苦にならないと語る。「フォルクスが大好きです!。皆にアークミールで働いて良かった、労働組合があって良かったと思ってもらいたい」と力を込めた。

「組合があって良かった」
と思ってもらえる活動を
一昨年11月、定期大会後に実施した国会見学会の模様。UAゼンセン組織内参議院議員の田村まみ議員(前列右から2人目)と、堂込まきこ議員(前列左から2人目)の活動報告を受け、政治活動の大切さを再認識した
ユニオンの中央委員会では副議長を務めるなど、リーダーとして経験を積む
UAゼンセンが行っていた「富士山の森づくり」に参加したときの一枚。作業を共にした仲間とは、いまでも交流が続いている