UAゼンセン製造産業部門には、繊維、化学、医薬・化粧品など、多様な製造(ものづくり)産業で働く仲間が結集しています。このほど、各産業の課題を解決するため、3つのシンポジウムを開催しました。今号で内容をそれぞれ紹介します。
繊維産業の挑戦!技術と創造力で付加価値の創出を
UAゼンセン製造産業部門は5月22日、「2025繊維産業シンポジウム」を開催。加盟組合労使や業界団体関係者を中心に、会場・Webを合わせて163名が参加しました。本年は「挑戦する繊維産業~技術と創造力で生み出す新たな価値~」をテーマに設定し、活発な議論を行いました。
冒頭、UAゼンセンの直塚政之副会長・製造産業部門長は、「人手不足や原材料価格の高騰など、繊維産業の課題は多い。本シンポジウムを繊維産業の方向性を見極め、新たな付加価値の創出へ向け、行動していくきっかけとしたい」と提起しました。
持続可能で魅力ある繊維産業を目ざす
続いて、小説『下町ロケット2』のモデルとなった福井経編興業(福井経編興業労働組合はUAゼンセンの加盟組合)の髙木義秀社長による基調講演を実施しました。髙木社長は繊維業界に対する逆風のなかで、人工血管や心・血管修復パッチといった新製品の開発を実現した経緯を紹介。「さまざまな人との出会いが技術(シーズ)と市場(ニーズ)を結び付けるきっかけとなった。付加価値の創出には、産業や業種の垣根を越え、一緒に取り組むことが重要」と強調しました。
基調講演の後には、3名のパネリストを招き、パネルディスカッションを実施。
最初に、繊維業界の専門紙を発行する繊研新聞社の藤浦修一特別編集委員が、40年以上の取材経験から業界の動向と国内各社の技術力を解説。藤浦特別編集委員は「価格競争に惑わされず、市場開拓の意識を持つことが必要」と提起しました。

業界の動向などをふまえ、繊維産業の展望について議論を行った。顔丸は直塚部門長
続いて、シキボウ繊維部門(シキボウ労働組合はUAゼンセンの加盟組合)の中条洋子戦略素材企画推進室長は、女性特有の心と体の課題をテクノロジーで解決する「フェムテック」の視点に立った報告を実施。同社の「Méchi(ミチ)プロジェクト」を紹介し、「女性特有の課題解決へ向けた素材開発など繊維産業には新たな可能性がある」と示しました。
最後に、兵庫県西脇市産業活力再生部の塚口貴博商工観光課長は、地場製品である「播州織」を起点とした人材育成や若者誘致など「西脇ファッション都市構想」について報告を行いました。