働く仲間の笑顔のために

「政治」という言葉を耳にすると、自分からは遠い世界のことのように感じるかもしれません。それでも、私達の賃金から引かれる税金や安心・安全な暮らしを支える社会保障も「政治」で決まります。本連載では田村まみ組織内参議院議員が身近な政治のトピックスを分かりやすくお届けします。前号から引き続き、「年収の壁」に関する最新の国会質疑の内容を紹介します。

国会の小窓

岸田総理大臣、加藤厚生労働大臣が
「年収の壁」問題で「早急に対応」と回答

前月号では(記事はこちら)「年収の壁」問題について、3月27日の予算委員会での国会質疑の内容をお伝えしました。その後、5月9日に開かれた厚生労働委員会で、私はふたたび「年収の壁」問題を質しました。
今回の質疑の前半、私は岸田文雄内閣総理大臣に対し、流通・サービス業で働く皆さんから寄せられた声を訴えました。具体的には「いつまで頑張れば、『年収の壁』問題が解決されるのか」という声を示し、「『年収の壁』は就業調整につながり、現場は人手不足で疲弊している。期限を区切った素早い対応が必要」と求めました。これに対し、岸田総理大臣は「これまでご指摘いただいた点を含め、厚生労働省で検討を進めている。なるべく早めに示していきたい」と回答しました。
質疑の後半は、加藤勝信厚生労働大臣へ向けて、「年収の壁」問題の解決について、より具体的に見直しの方向性や内容、期限などに言及し、質問を投げかけました。
とりわけ、私は健康保険制度における「扶養」(年収130万円未満の配偶者等が被扶養者となり、健康保険料の支払いを免れる制度)を取り上げ、「制度上、扶養から外れた途端に保険料負担が生じるため、扶養の範囲内で就業調整しながら働く者が多い」という現状を指摘。そのうえで、「政府として、『扶養』について期限を決めて抜本的に見直し、いわゆる『130万円の壁』を解消していくべきではないか」と求めました。これに対し、加藤大臣は「公平感を大切にしながら、対応を検討したい。また、この間、『年末になると就業調整が多い』というご指摘を再三いただいており、それをふまえ、期限を決めて対応を急ぎたい」と回答を行いました。
引き続き、「年収の壁」問題の解決に取り組み、働き方に中立な税・社会保障制度の構築を目ざしていきます。

田村まみ/岸田首相
岸田総理大臣に対し、現場の声とともに「年収の壁」問題の解決を訴える田村議員(上)

「扶養」について抜本的見直しを!

田村まみ厚生労働委員会
【トップ写真】粘り強い質疑で「年収の壁」問題の解決へ前向きな回答を引き出した
【田村まみ組織内参議院議員 プロフィール】  
1976年生まれ。1999年、ジャスコ(現・イオンリテール)に入社。食品スーパーのマックスバリュでデイリー部門(豆腐や納豆)ひと筋に勤める。2006年組合専従(中央執行委員)。2019年7月の第25回参議院議員選挙(比例代表)で初当選。厚生労働委員会、予算委員会、消費者問題特別委員会などに所属。働く仲間の声を国政に届け、着実に成果を上げている。