働く仲間の笑顔のために

「政治」という言葉を聞くことは多いですが、自分の身近に「政治」を感じる機会は少ないと思います。それでも、私達の賃金から引かれる税金や社会保険料も「政治」で決まっています。本連載では田村まみ組織内参議院議員が身近なトピックスを、分かりやすく働く仲間にお届けします。今号はいわゆる「年収の壁」について、最新の国会質問の内容をお届けします。

国会の小窓

「年収の壁」を越え、働き方に中立な制度を
参議院予算委員会で岸田総理大臣に求める

本誌3月号(記事はこちら)で紹介したとおり、2月1日、衆議院予算委員会の質疑において、岸田文雄内閣総理大臣は「いわゆる『年収の壁』、とくに『130万円の壁』について幅広く対応を検討し、制度を見直す」と明言しました。
その後、やっと参議院でもいわゆる「年収の壁」について議論をする機会がやって来ました。3月27日、私は予算委員会で岸田総理大臣に対して質疑を実施。働き方に中立的な税・社会保障制度の構築を目ざし、「年収の壁」の問題について総理に質(ただ)しました。
このなかで、私は「年収の壁」のうち、「103万円の壁」「106万円(130万円)の壁」「150万円の壁」の3つを図表(別項参照)で示し、岸田総理大臣に期限を設けながら、具体的な対応を迅速に行うことを求めました。

「年収の壁」のうち、「103万円の壁」「106万円(130万円)の壁」「150万円の壁」の3つを図表


これに対し、岸田総理大臣は「いわゆる『年収の壁』については、これまで田村議員からも『これが原因となり、就業調整が行われ、パートタイマーが希望どおりに働くことを阻害している』というご指摘をいただき、重要な課題だと改めて認識した」と回答。そのうえで、「まずは、いわゆる『年収の壁』を越えたことで、賃金の手取りが減らないような支援を導入し、さらなる制度の見直しに取り組みたい」と語りました。

働き方に中立な制度の実現へ向けて、「年収の壁」解消について質す田村まみ議員。左は答弁する岸田文雄総理大臣


この答弁に対し、私からは重ねて「政府が強調する労働力不足という表面的な視点だけでなく、就業調整による職場での軋轢の発生と、それに伴う生産性の低下にも着目してほしい。総理大臣には迅速な行動を求めたい」と訴えました。

一人ひとりの働き方に中立な税・社会保障制度を実現できるように、引き続き訴えていきます。

【田村まみ組織内参議院議員 プロフィール】  
1976年生まれ。1999年、ジャスコ(現・イオンリテール)に入社。食品スーパーのマックスバリュでデイリー部門(豆腐や納豆)ひと筋に勤める。2006年組合専従(中央執行委員)。2019年7月の第25回参議院議員選挙(比例代表)で初当選。厚生労働委員会、予算委員会、消費者問題特別委員会などに所属。働く仲間の声を国政に届け、着実に成果を上げている。