現在、第221回特別国会が開かれ、国民の雇用や生活に関するさまざまな課題の解決へ向けた議論が進んでいます。今号では、働く仲間の声を受け、参議院で政策実現に力を注ぐ3名の組織内参議院議員の直近の国会質問をお届けします。
川合孝典組織内参議院議員
適正な外国人材の育成・確保へ
現在、政府はこれまでの「技能実習制度」を発展的に解消させ、2027年4月から人材育成・確保を目的とした「育成就労制度」の導入を決定しています。本制度は、食品製造や介護、宿泊、飲食など、人手不足が深刻な産業分野で外国人材を3年間かけて育成・確保することを目的としています。

「育成就労制度」の課題を明確化
3月24日、川合孝典組織内参議院議員は法務委員会で、「育成就労制度」に関する質疑を行いました。
具体的に、川合議員は平口洋法務大臣に対し、「現在、法務省、出入国管理庁、厚生労働省、都道府県労働局など、複数の省庁が窓口業務を行っている。その結果として、外国人材が困難に直面した場合の相談窓口が不明確になっている。これを改善するために、ワンストップの相談体制を整備するべきではないか」と提起しました。これに対し、平口大臣は「関係省庁と連携を密にしながら、必要な対応を検討していく」と応じました。
また、川合議員は在留資格の一つである「技術・人文知識・国際業務」を取り上げ、現場から届いている声として、「在留資格に応じ、できる業務・できない業務が過度に明確化されており、実際の就労の現場で非効率な働き方を強いられている事例がある。専門知識と関連する業務を整理し、それに付随する業務を含め対応できるようにするべき」と指摘しました。
最後に、川合議員は「育成就労制度は、外国人材の育成・確保が目的。単に低賃金で使い勝手の良い労働力を入れるだけでは、日本人労働者の雇用を奪い、賃金引き下げの圧力を生む。そうならないためにも、日本人労働者と同じ労働法制上の保護を適正に適用することが必要」と訴えました。
田村まみ組織内参議院議員
医薬品の安定供給を目ざす
原材料・エネルギー価格高騰の一方で、医薬品は「公定価格」が決められ、上昇する製造コストを適正に価格転嫁することが困難です。
その結果、一部の治療薬は製造しても利益が出ない「不採算」が常態化しています。

薬価制度の抜本的な見直しを
3月24日、田村まみ組織内参議院議員は、厚生労働委員会で医薬品の安定供給に関する質疑を行いました。
田村議員は、パーキンソン病の治療薬を取り上げ、「製造している製薬企業は、価格が低く製造・販売が困難な医薬品の薬価を引き上げる『不採算品再算定』を3年連続で申請しているが実現していない。製薬企業の使命感による製造継続も限界」と現場の切実な状況を提起。薬価制度の抜本的な見直しの必要性を訴えました。
また、田村議員は薬価改定における「市場実勢価格方式」について、「『改定前の薬価を超えない』という仕組みが適正な価格転嫁を不可能にしている」と指摘。政府が「創薬」を成長分野と位置付ける一方で、構造的に赤字状態を温存させ、コスト上昇を適正に価格転嫁できない現状について、「価格転嫁ができない産業構造自体の転換が重要。いまの制度でできることを工夫することにも限界があり、速やかに抜本的な薬価制度の見直しが必要」と強調しました。
これに対し、上野賢一郎厚生労働大臣は、「当事者や関係者の声を聞き、全体のバランスも見ながら、対応を検討していきたい」と応じました。
加えて、田村議員は続く4月2日の厚生労働委員会においても質疑に立ち、「ドラッグ・ラグ(海外で承認された新薬が日本で承認され利用できるまでの時間差)」や「ドラッグ・ロス(海外で承認・販売されている新薬が日本で使えない状態)」の課題に言及。「必要な治療が行き渡るように、対応を進めてほしい」と求めました。
堂込まきこ組織内参議院議員
開発援助には国民の理解が必要
国際情勢の変化に伴い、政治・軍事・経済の各方面における不安定さが増しています。
このような状況のもと、政府は平和で安定し、繁栄した国際社会の形成に一層積極的に貢献するとともに、望ましい国際環境を創出し、信頼にもとづく対外関係の維持・強化をはかることを目ざし、政府開発援助(ODA)として、開発途上国に対して、有償・無償の資金協力や技術協力などを行っています。

4月1日、堂込まきこ組織内参議院議員は、政府開発援助および国際協力・人道支援等に関する特別委員会で質疑を実施。
堂込議員は、ODAについて、「限られた財源のもと、ODAを適正に推進するためには、国民の理解が前提となる。国民の理解が得られるように、ていねいな情報発信が必要」と求めました。
また、堂込議員は、2021年2月のクーデター以降、内戦状態が続くミャンマーについて、「日本として中・長期的に、民主的な政治体制の確立につながる支援を継続してほしい」と訴えました。
これに対し、茂木敏充外務大臣は、「ミャンマーが民主的に自立できるように、人道的な支援を継続していきたい」と応じました。
「就職氷河期世代」支援の充実を
一方、雇用・社会政策の国内課題の一つに、就職氷河期世代への支援があります。就職氷河期世代とは、1993年から2004年ごろに新卒で就職活動を行った世代。具体的には、およそ1700万人が該当するとされています。現在、政府は、2028年まで集中的に展開する就職氷河期世代支援プログラムを発表。「就労や処遇改善の支援」「社会参加へ向けた支援」「高齢期を見据えた支援」の3本柱に取り組むとしています。
4月2日、堂込議員は内閣委員会でこの課題を取り上げ、黄川田仁志特命担当大臣に対し、支援プログラムの成果目標などについて質しました。
黄川田担当大臣は、「有識者とも相談のうえ、政府として『現在と将来における暮らしの不安の低減』を目ざしている。数値目標としては、正規雇用比率や不本意非正規雇用比率などの改善を検討している」と回答。
堂込議員は、「この世代は、いわゆる『非正規雇用』を選ばざるを得なかったため、社会保障の保険料負担が重く、将来給付が少ないという課題もある。この点にも対応が必要」と提起しました。
