第19話 鼎泰豐(ディンタイフォン)東京駅八重洲口店 出演:細矢 博之 (井之頭 五郎役)
ビジネスマンが足早に行き交う日本最大のオフィス街、東京・八重洲。今回は、そんな街でほっとひと息つけるグルメスポットを発見しました。台湾に本店を構える『鼎泰豐(ディンタイフォン)』で、芸術的な点心を心ゆくまで味わいます。
「時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり『自由』になる。だれにも邪魔されず、気を使わずものを食べるという孤高の行為。この行為こそが現代人に平等に与えられた、最高の『癒し』と言えるのである」 (テレビドラマシリーズ『孤独のグルメ』ナレーションより) ---テレビドラマシリーズ『孤独のグルメ』--- グルメ漫画『孤独のグルメ』(原作・久住昌之、作画・谷口ジロー)を松重豊主演で実写ドラマ化。2012年からテレビ東京系列で放送され、これまでにシーズン10を数える超人気番組。
東京駅近辺での所用を済ませ腹ペコの細矢委員長。オフィスビル内でランチの店を探すと、見覚えのある看板を見つけた。『鼎泰豐』。「あっ、むかし行った台湾で食べた小籠包の店だ。うまかったなぁ」。吸い込まれるように店へ入りネクタイを緩めた。
うまさ凝縮の肉汁に心が躍る
『鼎泰豐』東京駅八重洲口店のカジュアルな店内は、清潔感にあふれ広々としている。細矢博之委員長は4個の小籠包が付いた「えび入りチャーハンセット」を頼んだ。せいろのふたを開けると、現れたのはウエーブ状のひだが美しい芸術的な小籠包。「レンゲに乗せて皮を破り、出てくるスープを楽しんでください」。言われたとおり皮を破ると、“ジュッワー”と肉汁が一瞬でレンゲを占拠。「おーっと」、こぼれそうな汁をすする。「むおっ」。凝縮された肉の香ばしさやうまみが鼻をくすぐり舌にしみた。レンゲに残した本体に、タレを浸したショウガを添える。シャキシャキ感と酸味が肉の弾力や甘みに奥行きを与えた。「これだ~、本場の味と食感」。頭の中は懐かしの台湾にワープした。
熟練の点心師が本場の味をお届け
絶品チャーハンで食欲マシマシ
「えび入りチャーハン」はパラパラご飯にプリっプリのえび。口の中いっぱいに広がるおいしさに細矢委員長の食欲はマシマシ。「罪なチャーハンだ」。勢いづいて「ピリ辛ゆでワンタン」を追加。豚肉とえびをつるつるの皮で包んだ“点心の福袋”をいただいた。その後も「野菜と豚肉入り蒸し餃子」など多彩な点心で攻め続け、ようやく満腹に。とどめのデザートに「マンゴピン」を頼む。マンゴソースのかかったミルクのかき氷は、ふわっとしてやさしい口溶け。果肉まで添えたこだわりの一品に頬が緩んだ。「次回の同期会はここで決まり。6種の小籠包などが入った『台湾点心コース』でお疲れ気味の同期を活気づけよう」。委員長はそう心に決めて席を立った。
美味しく、楽しく、心地良く【アール・ティー・コーポレーション】
台湾の油問屋として創業した『鼎泰豐』は1972年に点心料理の提供を開始。小籠包が評判を呼び、1993年のニューヨークタイムズ紙で「世界の人気レストラン10店」に選ばれた。いまや世界12カ国、170店舗以上を展開しているが、台湾以外での初出店は1996年、東京・新宿髙島屋内。10階にあった店舗の空席待ちの列が3階まで及んだという。日本国内の『鼎泰豐』28店舗を展開しているのが髙島屋グループのアール・ティー・コーポレーション。香港スイーツの『糠朝』や社員食堂など、多様な業態を展開し、「美味しく、楽しく、心地良い」食文化の創造と食をつうじた社会への貢献を目ざしている。全髙島屋労働組合連合会アール・ティー・ユニオン(本部東京・日本橋・約300名)は森本裕委員長(『鼎泰豐』シャポー船橋店マネジャー)を中心に働きやすい職場づくりに励んでいる。