いよいよ本格的な夏。近年は、全国各地で気温が上がり、ことしも「酷暑」が予想されています。そこで本誌では、熱中症に関する正しい知識を学び、熱中症にならないための緊急特集を企画しました。日常生活や職場で熱中症に備えてください。
※「酷暑日」とは、最高気温が40度以上の日を指す新名称。本年4月に気象庁がこれまでの「猛暑日」(最高気温が35度以上の日)に次ぐ名称として決定した。
Ⅰ.熱中症とは?
高温な環境下で、発汗による体温調節等がうまく働かなくなり、体内に熱がこもることによってさまざまな症状がみられる状態。屋外だけでなく室内でなにもしていないときでも発症することがあります。重篤な場合、死亡することもあるので十分な注意が必要です。
厚生労働省「熱中症予防のための情報・資料サイト」より
〇熱中症の発生状況
総務省発表
◇2025年は全国各地で早い梅雨明けが続き、夏の平均気温は過去最高となった。
◇「熱中症警戒アラート」(※)の発表も過去最多。
※熱中症の危険性に対する「気づき」を促すことを目的として、気象庁と環境省が共同で発表するアラート。
◇2025年5~9月の熱中症による救急搬送の人数は10万510人。データのある2008年以降で最多。
厚生労働省発表
◇2025年の職場における熱中症について、死亡・休業4日以上は1803人(前年比43%増)で過去最多。
Ⅱ.熱中症になるとどうなる?
ひと言で「熱中症」と言っても、その症状はⅠ度(軽症)、Ⅱ度(中等症)、Ⅲ度(重症)の3種類に分類できます。基本的に、症状が軽いうちに応急処置をすることが肝心です。体調に変化を感じたら涼しい場所に移動し、水分補給をするなど、早めに休息をとることが重要となります。



Ⅲ.熱中症を引き起こす3つの要素
子供や高齢者に限らず、だれもが熱中症を発症する可能性があります。熱中症を引き起こす条件には、「環境」「からだ」「行動」の3つがあります。また、熱中症のリスクを数値化した指標として、気温・湿度・日射・気流の4要素で総合的に判断される「暑さ指数(WBGT)」があります(下記参照)。




「熱中症は重症になると命にかかわる。危険を感じたら、ためらわずに救急車を」
UAゼンセン 産業医 須賀 万智
脳や臓器など体の中心の機能を守るため、体の内部の温度(深部体温)は通常37度前後に保たれています。ところが、高温多湿な環境で活動し、熱をうまく体外に逃がすことができないと、深部体温が上昇し、脳や臓器が障害され、熱中症が起こります。
毎年、多くの方が熱中症で亡くなっています。
問いかけに答えられなかったり、自分でペットボトルのキャップを空けて水を飲むことができなかったりしたら、ためらわずに救急車を呼んでください。救急車を待つ間も冷たいタオルを全身にあて、扇風機で風を送るなど、できるだけ深部体温を下げることが大切です。熱中症を軽く考えずに、十分注意してください。
Ⅳ.職場でも熱中症対策を
職場内でも熱中症に注意が必要です。
万が一、発症した場合、速やかな応急処置を行い、重症化を防ぎましょう。




Ⅴ.熱中症対策を徹底しよう
応急処置も重要ですが、熱中症にならないことが一番です。
熱中症を予防するポイントをまとめました。



熱中症に負けない!
万全の備えで夏を乗り切ろう!



PLUS1
こまめな水分補給を意識しよう
外出時はもちろん、室内にいる場合でも、のどの渇きを感じる前に、こまめに水分を補給しましょう。
※水分と合わせて塩分も補給しましょう。



