2023労働条件闘争では既報のとおり、賃金以外の総合的な労働条件の改善についても精力的な交渉により着実に進展しています。本紙では、加盟組合の事例を随時紹介していきます。今号は、はせがわ労働組合(流通部門、住生活関連、福岡、885名)です。

65歳定年制導入で一層の活躍へ はせがわ労働組合(流通部門)

はせがわ労働組合は、2023年の労働条件闘争で65歳定年制の導入を実現した。
同労働組合は2012年の労働条件闘争時に定年延長や関連する労働条件の改善に取り組んだ。以来、定例の労使協議会で他社の事例を紹介するなど、つねに定年延長の話題にふれ、実現への土台を築いた。

粘り強く取り組み定年延長を実現

そんななか、3年前に人事制度の改定について会社側から提案があった。それを受け、労働組合は定年制度について具体的な改定に着手するよう強く要請。そのことが定年延長の実現へ向けて大きく前進するきっかけとなった。組合はその後もさらなる前進をはかり根気よく会社と協議を重ね、ことしついに65歳定年制の導入という成果を実らせた。
創業93年を迎え、現在は関東や西日本など広域にわたり数多くの店舗を展開するはせがわ。ここまでの成長を遂げられたのは、会社を支えてきた先輩達のおかげと井島和彦委員長は感謝する。世の中ではデジタル化が進んでいるが、お仏壇、お墓の販売は対面販売が基本。豊富な人生経験を持ち、お客さまに寄り添った接客販売を心がけるベテラン社員達は、厚い信頼を得ているという。
「人口減少に伴い、多くの企業と同様、はせがわも人手不足に直面しています。その解決策として、新規採用に注力するだけでなく、経験豊富で有能な人財が一層活躍できる場の確保にも目を向け、環境を整えるべきだと考えています。そうした観点からも定年延長の必要性を強く感じていました」と井島委員長は振り返る。

ことし5月、岐阜にオープンしたイオンモール大垣店
ことし5月、岐阜にオープンしたイオンモール大垣店

正社員への転換でさらに高まる意欲

定年年齢が満65歳に延長されたことに伴い、はせがわでは再雇用制度のもとで働いている61~64歳のキャリア社員に対し、正社員雇用に転換する道を開いた。一方で現雇用区分に留まるか正社員へ転換するかの判断については、労使それぞれが該当者と面談し、一人ひとりていねいに意思を確認した。
その結果、対象者14名のうち12名が正社員に転換することになった。当事者からは「賃金などの労働条件が改善されるので、よろこばしい」と転換への肯定的な声があがっているという。さらには、「正社員に認められたことでやる気が一層高まった。残りの在籍期間、お客さまのお役に立てるように精いっぱい頑張りたい」など、モチベーション向上につながったとする声も聞かれるそうだ。
定年延長の導入に伴い、関連する労働条件についても取り組んだ。退職金の支給時期は60歳から65歳に移行される。すでに60歳時に退職金の裁定請求を済ませた社員に対しては、退職金ポイント(勤続期間等で累積される退職金額に関わる点数)の付与に替えて退職金手当を支給することになった。

一層の取り組みで職場環境の改善へ

「定年延長の導入は、今後の働き方を見直すきっかけにもなったと思います」と語る井島委員長。職場を見渡せば育児中の男性や介護に悩んでいる仲間の休業の取りやすさに関することなど、さまざまな課題があるという。「ワーク・ライフ・バランスの実現へ向けて課題を解決し、より良い職場環境を醸成していきます」。井島委員長率いるはせがわ労働組合は、働く仲間のために、さらなる取り組みを見据える。