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毎年、冬になると、風邪やインフルエンザが流行します。ことしの冬こそ、そんな流行にのらないために、風邪予防の三つのポイントをしっかり押さえておきましょう。そして、それでも風邪をひいてしまったときのファースト漢方「葛根湯(かっこんとう)」の飲み方をご紹介します。ぜひ、風邪知らずの冬にしてください。

しっかり風邪予防3つのポイント&〝ここが大切〟葛根湯の飲み方
風邪のウイルスは200種類以上もあると言われています。冬の風邪のウイルスは低温で乾燥した環境を好み、活動が活発になります。そのため、乾燥した冷たい空気のなかではウイルスが長生きし、長時間、私達の身の回りを漂います。そして、隙があれば体内に侵入します。そうした外的な原因に加えて、冬の季節は、冷えや乾燥により私達の免疫力が落ちることで、ウイルスの侵入や増殖を許してしまうのも、冬に風邪をひく原因です。
風邪予防の3つのポイント
1.ウイルスを持ち込まない
【ウイルスを外から室内に持ち込まないのが鉄則です。外から帰ったら、まずは手洗いとうがいを徹底しましょう】
ウイルスは、くしゃみや咳で飛び散ったり、ウイルスのついた場所に触れた手に付着したりして運ばれます。密閉された電車内や、たくさんの人が触れるつり革やドアノブ、エレベーターのボタンなど、外はウイルスと接触してしまう場所がたくさんあります。インフルエンザウイルスの増殖は16時間で1万倍とも言われています。まずは、ウイルスを持ち込まないことが大切です。
2.ウイルスを入れない
【ウイルスは鼻やのどの粘膜からカラダに侵入します。粘膜の潤いを保って、ウイルスをカラダに入れないことが大切です】
のどの粘膜には繊毛という器官があり、ウイルスなどの異物が入ってきたときに外に出す働きがあります。この繊毛は乾燥すると働きが衰えるので、つねに潤いを保つことが重要です。また、同じ気温でも、湿度が高ければウイルスの生存率はぐっと下がります。マスクをして気管支の潤いを保ったり、部屋の湿度を保ったりすることで、ウイルスをシャットアウトしましょう。
3.ウイルスを増やさない
【ウイルスが侵入しても、ウイルスと戦う力がある強いカラダづくりを心がけましょう】
前号で、「冷え」は万病のもととお伝えしました。カラダを温めることが強いカラダづくりのカギです。カラダの部位で、とくに「首」のつくところ、首、足首、手首、腰首(お腹周り)は太い動脈が薄い皮膚のすぐ下を通っているため、ここを温めるのがとても効果的です。マフラーやストール、レッグウォーマー、腹巻や使い捨てカイロなどを活用して冷え対策をしましょう。
お腹のなかから温めるなら、シナモンや生姜入りの飲み物がおすすめです。カラダを温めることで免疫力が高まり、ウイルスへの攻撃力につながります。
また、疲れているときは抵抗力が弱まって風邪をひきやすくなることがあります。十分な睡眠と軽い運動などを積極的に取り入れて風邪をひきにくいカラダにしましょう。
風邪をひいたときのファースト漢方・葛根湯
風邪といえば、漢方薬の「葛根湯」を思い浮かべる方も多いかもしれません。よく知られている漢方薬ですが、葛根湯は飲むタイミングがとても重要です。「葛根湯を飲んだけれど効果が感じられなかった…」という方は、飲むタイミングが間違っていたのかもしれません。最も効果的な飲み方は、ゾクゾクの「ゾ」を感じたとき。悪寒、鼻水、節々の違和感など、「風邪をひいたかな?」と少しでも思ったら、すぐに飲むことが大切です。
漢方薬は基本的に、食前または食間に飲みます。葛根湯も同様です。市販されている葛根湯は顆粒状のものが多いですが、飲みやすい錠剤やドリンクタイプなどもあります。葛根湯はカラダを温めて、汗を出すことで効き目を発揮しますから、水より白湯で飲むほうが温まります。
葛根湯は、風邪のひき始めに効果を発揮するほか、頭痛や肩こりが気になるときにも使える漢方薬です。運転する方、受験生など、薬を服用して眠くなっては困る方でも服用することができます。



