全プリマハム労働組合(総合サービス部門)

大人気商品「香薫」(ウインナー)をはじめ、ハム・ソーセージなどの食肉加工で私達の豊かな食文化を支えるプリマハム。2024労働条件闘争において、全プリマハム労働組合は、労使交渉のなかで現場の組合員の声を訴え、大きな成果を獲得した。

プリマハム労使は、2020賃金闘争において、工場におけるローテーション勤務者への交替手当の廃止を決定した。しかし、その後、新規の入職者が増えないという人手不足の状況が続くなかで、特定の組合員に身体的・肉体的負荷がかかる状態が続いていた。このような状況をふまえ、全プリマハム労組は2023賃金闘争で、改めて「ローテーション勤務による身体的・肉体的負荷の大きい従業員に対する手当支給」を要求し、労使による賃金福祉専門協議会で協議を重ねてきた。

この労使協議にもとづいて、2024賃金闘争で「深夜勤務手当および朝食・夕食・深夜食の見直し」を要求し、「月60時間未満35%、月60時間以上60%」から「月30時間未満40%、月30時間以上60%」という深夜割増率の引き上げを実現した。

今回の成果について、細矢博之委員長は「以前、会社は『同じ会社のどこの部署で勤務しても“仕事は仕事”なので負担の大きさは変わらない』と主張していました。しかし、約1年にわたる協議のなかで、現場の実態を詳細に訴えたことが、会社の認識変化につながりました」と語る。また、「合わせて要求・実現した朝食・夕食の会社負担金の改善についても大きな成果の一つです」と述べた。

また、全プリマハム労組では、2017労働条件闘争から「定年延長」の労使協議を継続している。

協議の前進をはかる一方で、人材確保の観点から、改善の第一段階として「60歳以降の『シニア定時パートナー』(短時間組合員)の処遇改善」の検討を始めた。従来、短時間組合員は正社員と同様の60歳定年で、定年後は1年ごとの再雇用契約に移行し、賃金は「定年退職時の募集賃金+定年退職時時間給の10%」と定められていた。

これに対し、全プリマハム労組は「実際の業務内容は60歳以前とほとんど変わらず、同一労働同一賃金の観点からも不合理」と訴え、2024賃金闘争で「60歳前の水準を維持する」という改善を実現した。

今回の改善に関して、労組で実施したアンケートでは「満足」「やや満足」という回答が76%に上り、組合員の満足度の高さがうかがえる。

一方で、細矢委員長は「今回、賃金水準の是正は実現できましたが、これまで支給されてきた一時金が寸志に変更されることに変わりはありません。そのため、引き続き、アンケートの結果を労使で共有しながら、一時金制度についても改善をはかりたいです」と今後の抱負を語った。

全プリマハム労組では、労使交渉を進めるなかで闘争期間中は毎日(ときには1日に2回)ビラを発行。職場集会や機関誌、ホームページも活用しながら、交渉結果の周知に努めた。また、闘争後には前出のアンケートで組合員の意識や満足度を集約している。

細矢委員長は「今回の成果について肯定的な評価も多くいただいた。しかし、定年延長を望む声も多く寄せられており、これまで以上にスピードを上げて労使協議を進め、より良い労働条件改善を実現していきたい」と決意を語ってくれた。

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