スマートフォンやパソコンが暮らしに欠かせない一方、メールやSMS(ショートメッセージ)、SNS(X、Instagram、Facebook、LINEなど)やネット広告などを入り口とする詐欺も巧妙になっています。

「カードが不正利用されています」「利用料金が未納です」「必ずもうかります」「ウイルスに感染しました」—。突然こんな言葉を目にすれば、だれでも不安になり、焦るものです。犯人は私達の不安や焦り、欲につけ込み、考える時間を与えず行動させようとします。

今号では、ネット詐欺の身近な手口と被害を防ぐ備え、万一の際の対処法を紹介します。

Ⅰ.ネット詐欺はだれでも狙われる

ネット詐欺には、メールやSMSから偽サイトへ誘導して個人情報を盗む「フィッシング詐欺」や、偽広告から投資グループへ誘い送金させる「SNS型投資詐欺」、偽のウイルス警告を表示して金銭をだまし取る「サポート詐欺」などがあります。手口は違っても、相手の感情を動かして冷静に考える時間を奪う点は共通しています。

ひと月に6万件超!フィッシング報告

2026年7月、フィッシング対策協議会に寄せられた報告は6万6119件にのぼりました。

確認されたフィッシングサイトのURLは4万3267件、悪用されたブランドは101に及びました。報告のうち、通販などのEC系が約50.5%、クレジット・信販系が約25.4%を占めています(※報告件数は、被害者数や被害件数を示すものではありません)。

高額被害に注意! SNS型投資・ロマンス詐欺

警察庁によると、2025年のSNS型投資・ロマンス詐欺の認知件数は1万5168件、被害額は1834億3000万円にのぼります。被害が発生した1件当たりの被害額は、約1213万円。相手とのやり取りを重ねて信用し、繰り返し送金することで、被害が高額になる場合があります。

警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」より

Ⅱ.こんなメールやSMSに要注意!

実在する通販会社やクレジットカード会社、金融機関、宅配事業者などを装い、偽サイトへ誘導するのが「フィッシング詐欺」です。入力したIDやパスワード、クレジットカード番号などが盗まれ、アカウントの乗っ取りや不正利用につながるおそれがあります。

こんなメッセージが届いたら、まず疑おう

「カードが不正利用されています」

「お荷物を持ち帰りました」

「支払い方法を更新してください」

「利用料金が未納です」

「アカウントを停止します」

【実際にあったフィッシング詐欺の事例】

普段使っているアプリ名で「支払い方法の確認が必要」などとするメールが届きました。記載されたURLからアクセスしてクレジットカード番号などを入力したところ、その後、約20万円のネットショッピングの利用通知が届きました。

国民生活センター「日頃利用している事業者からのメールもフィッシングを疑って」(2026年9月3日)より

偽サイトかどうか見破るのは困難

企業のロゴやデザインを本物そっくりに再現した偽サイトもあり、送信者名やURLが本物らしく見えても信用できません。画面上で見分けようとせず、メッセージ内のリンクは使わないこと。確認は公式アプリや登録済みのブックマークから行いましょう。