団体型共済は組合員への愛の贈り物
突然の病気やケガ、地震や台風による住宅被災など、私達の日常には、思いもよらない出来事が起こる可能性があります。本誌で連載しているとおり、UAゼンセンには、働く仲間と家族をさまざまなリスクから守る共済制度(個人型8共済・団体型7共済)があります。
今号では、労働組合あるいは労使で組合員全員を守る団体型共済をクローズアップします。なかでも、急速に加入が進んでいるのが「団体型介護共済」です。超高齢社会で高まる介護の不安に対応し、介護離職の防止につなげる安心のサポート内容に注目してください。最新加入組合の事例を参考に、ぜひ加入をご検討ください。
〈注目!〉団体型介護共済は制度発足から5年で110組合・20万名が加入
団体型介護共済最新加入事例

144年の歴史を誇る東洋紡は、フイルム、ライフサイエンス、環境・機能材、機能繊維分野で先端技術を生かした素材をつくり社会に貢献しています。東洋紡労働組合(井上宏行組合長、1946年結成、本部・大阪、4200名)は独自の福祉事業で働く仲間を支えてきました。近年はUAゼンセン共済の加入促進に取り組み、福祉のさらなる充実をはかっています。昨年11月には組合員の介護の悩みに応えようと団体型介護共済の加入を決めました。そこまでの経緯をご紹介します。
介護の悩みや不安を和らげたい 仲間への思いが生んだ共済加入
法改正による企業義務に対応できる共済メリットを掲げ会社の協力を引き出す
「突然の介護で仲間が困らないようにしたい」。介護が社会問題となるなか、組合執行部では井上宏行組合長を中心に3年ほど前から介護への対策を検討し始めた。
組合員が悩みを真っ先に相談するのは所属の支部だが、働きながら組合活動に携わる支部役員も多く、専門知識が必要な介護相談に応じるのは難しい。そこで、UAゼンセンが創設した介護共済に着目した。
要介護状態で給付金が支給されるだけでなく、相談窓口「ヘルプデスク」の有資格者が24時間365日、電話相談に応じてくれる。「支部役員にとって組合員の相談に応じられないのはつらいこと。ヘルプデスクがあれば介護の知見がない役員でも相談者に寄り添える」。かつて支部役員を務めたことのある白板崇書記長はそう感じたという。さらに、団体型介護共済に加入すれば組合員全員に安心を届けられる。執行部の意思が固まり、職場の仲間を代表する支部役員達に制度内容を説明し、加入に対する意見を聴いていった。

支部現場でも介護問題に対する潜在的な声があり、団体型加入のメリットを理解する一方で、少なくない年間の掛金拠出について、懸念する意見が多く出た。執行部は組合負担の軽減をはかろうと、会社に掛金拠出の協力を求めたが承諾は得られない。その後も〝掛金の壁”が破れず、2024年4月、一旦加入を断念した。
一方、介護問題への社会的関心は高まるばかり。2025年4月に育児介護休業法が改正され、介護離職防止のための個別の周知や意向確認、雇用環境の整備などの措置を講ずることが企業に義務付けられた。また、支部役員のなかに親が要介護状態となり「介護共済に入っておけば良かった」と後悔したり、親の介護で「組合役員を続けられない」と悩んだりする仲間が現れ始めた。
そうした情勢変化をふまえ、組合は「陰で介護に悩む仲間はもっといるのでは。加入へ向けもう1度前へ進もう」とあらためて会社との交渉に臨んだ。介護問題に労使一体で取り組む必要性や、団体型介護共済は法改正で生じる企業義務に対応できることが多く、会社のメリットも大きいことを掲げ協力を求めた。
組合の熱心な要求に対し会社は熟考のすえ、全正社員の加入と掛金拠出の協力を承諾した。組合の負担額は約半分になり、組織内の理解が一気に進んだ。
その後、2025年11月の中央委員会で正式に決議され、約5000名(うち組合員は約4200名)の加入が実現した(加入時期は2026年4月)。
UAゼンセン共済の加入促進で助け合いの輪を広げよう
現在、組合では4月の保障開始を前に団体型介護共済のメリットを周知している。白板書記長と共に組織の中心となり加入実現に尽力した白子昌幸総務部長は「団体型介護共済の加入は、組合員の介護リテラシー(介護の知識や制度の理解)を高め、組織力の強化につながる」と微笑む。
最後に井上組合長は「共済は加入者が増えるほどスケールメリットが生まれ、掛金引き下げなどの制度改善につながります。一緒に助け合いの輪を広げていきましょう」。全国の仲間の組合にそう呼びかけた。

組合活動は“職場”が原点
支部役員が仲間の信頼に応える
団体型介護共済の保障開始を4月に控え、現在各支部では組合員に加入メリットを伝え、問い合わせなどに応じています。



