UAゼンセンは12月5日に第3回中央執行委員会を開催し、2025労働条件闘争方針(執行部案)を決定しました。明年1月16日に開催する第13回中央委員会に提案します。物価高騰から組合員の生活を守り、実質賃金の向上を定着させる重要な闘争へ向けて、西尾多聞書記長のメッセージを届けます。

労働組合の真価を発揮し、組合員の生活を向上させる

現在、物価高や人手不足など、さまざまな課題が山積しています。一方で、組合員の基本的労働条件の維持・向上や職場環境の改善は、労働組合の使命の一つです。2025労働条件闘争では、これらの課題に向き合い、まずは組合員の労働条件向上に全力で取り組みます。また、労働組合としての主体性を持って、社会全体に「賃金と物価の好循環」の先鞭をつけていきたいと思います。

2025労働条件闘争に対する力強い決意を語る西尾書記長

2023・2024闘争では、精力的な労使交渉の結果として、物価上昇分以上を確保した組合も多く、社会的な賃上げの流れをつくることができました。しかし、終盤では厳しい結果となった組合もありました。連合の妥結結果を下回るなど、産業間格差是正には至らない面もあり、また、実質賃金上昇分を獲得できなかった組合もありました。2 023・2024闘争は、高水準の賃上げの一方で格差が拡大する結果となりました。

組合規模別にデータを分析すると、300名以上と300名未満の組合とでは妥結率で1%程度の差がつきました。また、300名未満の組合のうち、賃金体系が維持できておらず、賃金水準も把握できていない組合が約6割あり、妥結率も低い結果となっています。社会的に賃上げを促進する機運が醸成されているなかであっても、さまざまな事情があることが推察されます。これらの結果や加盟組合との対話から賃上げへの個別の取り組み課題が浮き彫りとなりました。

加盟組合の個別サポートを強化

2025労働条件闘争方針案では、早めに高い相場をつくり、裾野を広げていく取り組みを提案しています。大切なことはすべての組合員に賃上げを行き渡らせることです。2023・2024闘争で賃上げが難しかった組合をサポートし、個別的な交渉支援をつうじて一層の賃上げを目ざします。そのことが、組合員全体の賃金を引き上げ、社会全体に賃上げを起点とした経済の好循環を広げることにつながります。
 具体的な支援内容を方針案に盛り込みました。労使交渉を支援するため、要求作成、交渉促進に資する個別データの提供や各種セミナーを実施します。

12月5日に開催した2025労働条件闘争方針案についての記者会見の様子

また、価格転嫁はいまだ十分ではありません。政策要請に加え、世論形成や環境整備へ向けた取り組みとして、支援制度の強化や政府施策の周知などを目ざし中央・地方での政労使会議にも働きかけを行います。

いまこそ労働組合の真価を発揮し、助け合い、励まし合い、高め合いの共闘体制を築きましょう。