本年9月10~11日、UAゼンセンは第14回定期大会において、新たな運動の羅針盤として、2027~2032年度に取り組む「新中期ビジョン」を決定しました。

本ビジョンは、これまで取り組みを進めてきた「2025中期ビジョン」から成功要因、反省点、引き継ぐべき課題を抽出し、改めて取り組むべき課題を整理したうえで、私達が目ざす「一人ひとりが人間らしく、心豊かに生きていく持続可能な社会」の実現へ向けて、「4つの挑戦」に取り組むことを示したものです。今号で内容を紹介します。

【トップ写真】第14回定期大会において「新中期ビジョン」を決定。UAゼンセン全体で一致団結して取り組むことを確認し合った

「2025中期ビジョン」とは?

UAゼンセンは、2016年1月28日に開催した第4回中央委員会のなかで、「綱領」「運動の基本」にもとづく運動の中期的な羅針盤として「2025中期ビジョン」を決定。以降、これにもとづき、2年ごとの「運動方針」を策定するとともに、私達が目ざす社会像を掲げ、4つの挑戦(後述)に取り組んできました。

また、本年は「2025中期ビジョン」の取り組み期間を満了したことを受けて、2026年度活動計画の議論と合わせ、都道府県支部の大会フォーラムや各部門での討議をつうじて、「2025中期ビジョン」の取り組みの振り返りと「新中期ビジョン(素案)」についての意見交換を行いました。

「2025中期ビジョン」の4つの挑戦

「2025中期ビジョン」では、「一人ひとりが人間らしく、心豊かに生きていく持続可能な社会」の実現のために必要となる「3つの転換」と、重点的に取り組む「4つの挑戦」を掲げ、UAゼンセン全体で目標を共有し、職場の改善や社会の課題解決に取り組んできました。

一人ひとりが希望する働き方を選択でき、能力を発揮し、十分な生活を営める雇用をつくる

性別・年齢・人種・国籍・障がいの有無、性的少数者(LGBT)などによる差別をなくし、雇用形態や労働時間などの違いによる不合理な格差の是正、同一価値労働・同一賃金を目ざした均等・均衡処遇に取り組みます。また、ワーク・ライフ・バランスを実現し、仕事と子育て、介護、地域活動の両立ができる環境を整備します。

持続可能で魅力ある産業をつくる

企業・産業の健全な発展が、雇用の安定と働く者の経済的、社会的地位向上を実現します。UAゼンセンは産業別労働組合の責務として、産業課題の解決のために産業政策を策定し、実現をはかることによって持続可能で魅力ある産業づくりを進めていきます。

一人ひとりが心豊かに生きていくために安心を築く

UAゼンセンには150万名超(当時)の働く仲間が結集していることから、社会の問題を組合員の課題として受け止め、その解決に取り組みます。共済制度の充実とともに、全世代支援型社会保障の実現、休日保育の充実、介護離職者ゼロなど公的制度の改革に取り組みます。

人とのつながりや助け合うことを基盤に、持続可能で安心できる地域社会をつくる

組合員が暮らす地域を、働く場があり、安心・安全で暮らしやすいものにするため、「まちづくり」活動を推進します。生活者・働く者の視点から、より良い暮らしのために必要な提言(子育て、医療、介護、防災など)を行い、政策実現のために政治活動にも取り組みます。

「2025中期ビジョン」から「新中期ビジョン」へ

「2025中期ビジョン」の振り返りをつうじて、下記のとおり、「成功要因」「反省点」「引き継ぐべき課題」が明らかとなりました。また、「新中期ビジョン」においても、引き続き、「一人ひとりが人間らしく、心豊かに生きていく持続可能な社会」を目ざすこととしました。

「新中期ビジョン」で私達が目ざす社会

一人ひとりが人間らしく、
心豊かに生きていく持続可能な社会

※「2025中期ビジョン」から継続

「新中期ビジョン」の環境認識と課題認識


目ざす社会の実現へ向けて、「新中期ビジョン」では、私達を取り巻く環境と課題について下記のとおり、整理をしています。

取り組みの方向性


前掲の環境認識・課題認識をふまえ、「新中期ビジョン」では、取り組みの方向性を(1)社会の課題解決・発展へ向けた取り組み項目と(2)組織の課題解決・発展へ向けた取り組み項目の2つに大別。具体的にそれぞれの項目においては、下記の内容に取り組んでいきます。

(1)社会の課題解決・発展へ向けた取り組み

(2)組織の課題解決・発展へ向けた取り組み