UAゼンセン製造産業部門は、化学部会および医薬・化粧品部会に所属する11組合で、「愛の一円玉募金運動」に取り組んでいます。1975(昭和50)年から継続してきたこの運動は、「物を大切にしよう」というキャンペーンの一環として始まりました。「引き出しの片隅に眠りがちな“一円玉”に光を当て、その積み重ねが社会福祉に役立てられたら―」、そんな女性委員(当時)の提案からスタートした運動は、ことし春の活動で第100回を迎えました。
小さな善意が紡ぐ大きな社会貢献
50年続く1円玉募金 寄贈先は486カ所
「愛の一円玉募金運動」は年2回のペースで、募金集約と社会福祉施設への寄贈を50年間継続してきました。運動開始からの総額は1億4千万円を超え、寄贈先施設は延べ486カ所にのぼります。
記念すべき第百回となる、ことし3~6月の運動では104万7556円の募金を集約。全東レ労働組合連合会、旭化成グループ労働組合連合会、帝人労働組合、クラレグループ労働組合連合会、テルモ労働組合の5組合が寄贈組合として選定され、それぞれで寄贈先と寄贈の内容を決定しました。
全東レ労働組合連合会では、東レ労働組合東京支部が推薦する社会福祉法人ふるさと福祉会「東京多摩学園」(東京都西多摩郡)へ寄贈を実施しました。「東京多摩学園」は、障がい者支援施設として、知的障がいの子を持つ保護者達の尽力のもと1988年に開園。以来37年間、奥多摩の地に根付きながら、子供達が安心して生涯を過ごせる故郷「ふるさと」にまで発展してきました。
8月28日、組織を代表し東レ労働組合東京支部の小嶋晃支部長と児玉望美書記長が同施設を訪問し、寄贈を行いました。寄贈品は、学園の要望をもとに食堂で使用する調理機器(ミンサー・ミキサー)とお米30Kgを選定。参加者の笑顔に包まれ温かな雰囲気のなかで寄贈式が執り行われました。寄贈品を受け取った東京多摩学園の山下卓園長は、「皆さまのご厚情に深く感謝申し上げます。学園利用者一同、新しい調理機器を使ったおいしいご飯を楽しみにしています」とお礼の言葉を述べました。

同学園では、作業をとおして我慢する力を身につけることや、社会的な協調性を育て自立することを目的に、椎茸の原木栽培や野菜の栽培などをメインに活動しています。児玉書記長は、作業現場や約40名の利用者が共同生活をしている施設内の様子を見学。「利用者一人ひとりの個性に合わせた自立支援を行う工夫が、学園全体に施されています。利用者の皆さんが安心して楽しそうに生活している日常が垣間見えました」と報告してくれました。
同じく寄贈組合に選ばれた旭化成グループ労働組合連合会は社会福祉法人小鳩会「小鳩乳児院・小鳩の家」(滋賀県大津市)に現金20万円を寄贈しました。

小鳩会は、事情により家庭で暮らせない乳幼児や子供達が生活する、「乳児院」「児童養護施設」を併設しています。両施設が一体化した養育方針のもとに運営され、子供達の「育ち」を支えています。
クラレグループ労働組合連合会は10月7日、地元企業の協力を得て中学生の仕事体験の場を設けるなどで、子供達の社会参加を支援する「こどもたちの社会参加を考える会」(岡山県倉敷市による事業)に寄贈を実施。クラレ労働組合倉敷支部の真木秀樹委員長から現金20万円を寄贈しました。同会の石浦洋子代表は「寄贈はとてもありがたいです。活動に必要な備品の購入などにあてたいと思います」と感謝を述べました。寄贈には元クラレ労働組合倉敷支部執行委員で現在、組織内倉敷市議会議員としてまちづくりなどに活躍する大守秀行氏が同席しました。

また、帝人労働組合は主に知的障がいを持つ方などに就労継続支援を行う「まさるの樹」(愛媛県松山市)に現金20万円を寄贈。

テルモ労働組合は重い障がいを持つ方を対象に、地域のなかでその人らしく生きることを支援する生活介護施設、社会福祉法人ぎんが福祉会「おひさま」(山梨県中央市)に楽器や遊具を寄贈しました。

運動理念をぶらさず 今後も活動を継続
今回ご紹介した5組合を含め、運動に参加する組合や協力してくれる仲間達のおかげで、50年間・百回にわたって活動を続けることができました。運動の理念を大切に受け継ぎながら、これからも「愛の一円玉募金運動」を実施していきます。
皆さんのご支援を引き続きお願いします。
愛の一円玉募金運動〈参加組織〉
▷全東レ労働組合連合会▷旭化成グループ労働組合連合会▷帝人労働組合▷クラレグループ労働組合連合会▷日本エクスラン労働組合▷四国化成労働組合▽東京応化工業労働組合▷テルモ労働組合▷ニプログループ労働組合連合会▷水沢化学労働組合▷サノフィユニオン▷UAゼンセン本部書記局
