田村まみ議員は、国会での初質問で厚生労働委員会において加藤大臣に対し、カスタマーハラスメント問題を提起しました。その後、新型コロナウイルスが蔓延すると、感染対策・雇用対策に奔走。以来、今日まで現場の声にもとづく政策実現に奮闘しています。

【新型コロナ対策】

マスク不足によるドラッグストアのカスハラ被害の深刻化を安倍総理に訴え、総理から働く仲間への感謝の言葉を引き出した

政府は、新型コロナ感染拡大に伴う休業を対象に「雇用調整助成金」の支給を決定しましたが、当初は工場などの「一斉休業」が対象でした。田村議員は流通・サービス業の現場の就業実態を国会で提起。その結果、シフト勤務などによる短時間休業も支給対象となりました。さらに、支給期間や助成額・率など、数次にわたる拡充を実現しました。

新型コロナ感染症のワクチン接種では、医療・介護従事者に優先接種が行われましたが、当初は「在宅系介護サービス」で働く方々は優先接種の対象外でした。田村議員の国会での訴えが実り、政府は優先接種の対象を拡大。さらに、地方議員と連携して各地の円滑なワクチン接種を後押ししました。

緊急事態宣言の全面解除後、UAゼンセンの松浦昭彦会長(当時)らと厚生労働省へ、働く者の安全確保と雇用の維持に関する要請を実施した

長引く新型コロナ禍で、雇用維持が困難になった企業から人手不足の企業へ出向・移籍を行う「就労マッチング」の必要性が高まりました。田村議員は「産業雇用安定センター」をつうじた「失業なき労働移動」の実現に力を注ぎ、出向元・出向先双方に助成金が支給される「産業雇用安定助成金」の創設を実現しました。

政府は感染拡大の状況に応じて、各企業に時短営業や一時休業を要請するとともに、各業界団体に感染防止対策として「業種別ガイドライン」の策定を求めました。田村議員は政府にガイドラインの実効性向上を求め、これにより感染防止対策を徹底した店舗の営業継続と、従業員と顧客双方を感染から守ることの両立が実現しました。

“カスハラ”“年収の壁”の実態を国会で訴え
社会問題として周知し、改善につなげる

【カスハラ対策】

UAゼンセンは、2015年から、一部の顧客による悪質なクレームの撲滅に取り組んできました。田村議員は2019年の当選後、初質問でカスタマーハラスメントを取り上げ、以後、自身の小売店舗での経験や職場から寄せられた切実な声を国会に届け、働く仲間達を守る法律の実現を訴えてきました。その結果、“カスハラ”が社会問題として広く認知され、国や地方自治体で対策が進んでいます。

2019年、加藤厚生労働大臣(当時)にカスハラについて質す

2022年には厚生労働省が「カスタマーハラスメント対策企業マニュアル」を発表。カスハラに当たる行為を明確にし、企業が従業員を守るために取るべき防止措置も明記されました。また、UAゼンセンと連携する地方議員らと情報交換を継続し、東京都をはじめ各地でカスタマーハラスメント防止条例の制定が進んでいます。

議員立法で独自のカスハラ対策法案を国会に提出している

6月4日、田村議員の訴えが実り、国会でカスハラ対策を盛り込んだ法律が成立しました。

【「年収の壁」の見直し】

家庭の事情などで短時間だけ働くパートタイム組合員のなかには、収入が一定額を超えることで税や社会保険料の負担が生じる「年収の壁」を超えないように、働く時間を減らさざるを得ない仲間も多くいます。それが、現場の人手不足につながっていました。

国会で「年収の壁」問題を提起する田村議員。写真右で手にしているのは、地域別最低賃金の上昇を示すグラフ

いわゆる年収の壁には、所得税が生じる「103万円の壁」、社会保険料が発生する「106万・130万円の壁」がありますが、田村議員は「103万円の壁」について、1995年の制定以来、年収額が変わっていない点を指摘し、物価上昇や最低賃金の引き上げを考慮したうえで、早急に見直すよう求めました。
その後、昨秋の衆議院議員選挙で大きな躍進を果たした国民民主党は、「手取りを増やす」政策の実現を目ざして、「年収の壁」見直しの働きかけを強化。その結果、30年ぶりに「103万円の壁」が引き上げられることになりました。しかし、政府の引き上げ額は不十分であり、引き続き訴えていきます。