前半より続き

多様な人々が活躍する職場の実現へ 女性の健康支援に取り組む重要性

女性特有の健康課題に企業・労働組合が取り組む意義

女性の健康課題解決にフェムテックを

張聖氏は「女性の健康支援で企業が変わる? 職場で実践する女性エンパワーメント」と題して講演を行いました。最初に、「生理」や「更年期」などの女性特有の健康課題をテクノロジーの力で解決する製品やサービスとして「Femtech(フェムテック)=Female(女性)+Technology(テクノロジー)」を紹介しました。フェムテックは2021年の新語・流行語大賞にもノミネートされ、2032年には14兆円の市場規模になるといわれています。「企業は男性中心の人材活用では競争力を保てない」「ダイバーシティ経営(多様な人材が活躍)には、女性の健康支援を含めた一人ひとりに合った『公平なサポート』が必要」と語り、フェムテックの活用事例を紹介しました。

女性特有の健康課題が原因で職場でなんらかのことを
あきらめた経験の有無
生産性改善(更年期症状)の例
生産性改善(月経・PMS)の例
離職防止の取り組み例

求められる女性活躍推進

少子高齢化が進み、日本の生産年齢人口は40年後には4割減といわれます。張氏は女性活躍の推進が急務として、「働く女性の健康課題を解消していくことは、離職防止や生産性向上などにつながる。大切なのはできることを見つけて取り組みを始めること」と語りました。

講師プロフィール

株式会社nanoni代表取締役    張 聖 (チョウ セイ) さん
中国出身。Google Japan、起業家支援NPO Endeavor日本支部立ち上げを経て㈱nanoni創業。女性活躍推進クラウド「carefull」(フェムテック福利厚生プラットフォーム)を展開中。

働く女性の健康支援に取り組む
田村 まみ UAゼンセン組織内参議院議員の活動

「女性の健康と働き方セミナー」で「声を聞かせてほしい」と呼びかける田村議員
「女性の健康と働き方セミナー」で「声を聞かせてほしい」と呼びかける田村議員

厚生労働大臣へ更年期対策求める

田村まみ議員は昨年11月、厚生労働委員会で、女性が働く機会が増えていくなかで、更年期症状・障害を含めた職場における健康対策を「第14次労働災害防止計画」(以下、計画)に盛り込むよう訴えました。
加藤勝信厚生労働大臣は、「更年期障害などの健康対策は重要」としつつも、計画への明記は現時点で困難との認識を示しました。田村議員は本年5月の同委員会で、計画の策定時期にとらわれずに性差を柱とした対策を実行すべきと重ねて提起しました。

厚生労働委員会で、職場における更年期障害への対策を求めた
厚生労働委員会で、職場における更年期障害への対策を求めた

組織内・準組織内地方議員と働く女性の健康支援で情報交換

田村議員は堂込まきこ組織内参議院議員とともに5月31日、「働く女性の健康支援」をテーマに、全国の組織内・準組織内地方議員とZoomによる情報交換を行いました。地方自治体の取り組みや課題を共有し、国政に生かしていきたいと決意を語りました。

速 報

こうした活動の成果の一つとして、政府は来年度、「女性の健康ナショナルセンター」を開設し、更年期障害などの研究・治療を行う方針を固めました。