「Kampoful Life(カンポフルライフ)」の人気コンテンツ「薬膳レシピ」のなかで、“スーパーでそろう食材でつくる、がんばらない薬膳料理”を提案している槇玲(まり)先生に、薬膳の効用や、夏の終わりに取り入れたいレシピを紹介していただきました。おいしくてカンタン、それなのに“カラダにいい”薬膳料理を食卓に加えてみませんか。

薬膳料理研究家/管理栄養士 槇玲(まり)


スーパーでそろう食材だけでつくる薬膳料理教室を2002年より開講。「家庭薬膳」のパイオニア。みずからも薬膳と出会い、長年悩んだ体調不良とアレルギーを食のチカラで克服した経験を持つ。著書に『ナチュラル薬膳~スーパーでそろう食材だけでつくるがんばらないわたしの薬膳レシピ』『おうち薬膳』など。メディアへの出演やレシピ連載、講演・執筆活動も精力的に行っている。

「薬膳って聞いたことありますか?」。そう問いかけると、多くの方が「むずかしそう」「特別な材料が必要なのでは?」とおっしゃいます。でも、私がお伝えしている薬膳は、スーパーで買える食材だけでできる、家庭のなかの養生法です。

薬膳にはルールがあり、大きく分けて二つの考え方があります。
一つは「バランス」。例えば、真夏は薄着で過ごしたり、冷房を効かせたりしますが、それを真冬にしたら風邪を引いてしまいますよね。食材選びも同じで、季節や環境に合わせて食材を選ぶことが「バランス」になります。

夏には、熱を冷ますトマトやきゅうり。冬には、寒さから身を守る魚介や根菜など、身近な食材を使えば、続けることが容易ですね。
もう一つは「代謝」。どんなにバランスの良いものを食べても、体の中できちんと消化吸収されなければ、栄養を生かすことができません。食べたものをきちんと消化・吸収・代謝・排泄できる体の状態を整えることが、健康の基本です。

食材の効能だけに頼らず、「どう整えるか」「どう活かすか」。
これが薬膳の真髄です。
それは、だれにでもできること―。特別な知識や食材がなくても、カラダの声を聴き、季節と調和した食事をすることで、日々の体調は自然と整っていきます。

一緒に薬膳を楽しんでいきましょう。

暑さ疲れを引きずらない9月のおすすめ薬膳レシピ

ことしも記録的な猛暑が続き、夏の疲れが、ひそかにカラダにたまっていませんか。
「だるさが抜けない」「食欲がない」「なんだか気分が落ち込む」…。そんな不調は、秋のはじまりに現れやすいサインです。

薬膳は、季節やカラダの状態に合わせて、日々の食事を整えるという考え方です。カラダをつくるのは食事ですから、日々、自分に合った食べものをいただくという、とても自然でシンプルな知恵です。

例えば、秋は「乾燥」と「冷え」が重なる季節。
夏の間に冷たいものをとりすぎて胃腸が冷えていたり、汗をかきすぎて潤いが不足していたり。そのままにしておくと、便秘・肌荒れ・風邪・疲労感・気分の落ち込み…など、さまざまな不調へとつながります。だからこそ、本来の体調を整えるための“食のケア”が必要です。

かぼちゃは“温性”の食材で、胃腸を温め、体の内側から保温する力があります。胃腸が冷えると代謝が落ち、せっかくの栄養も吸収できなくなりますが、かぼちゃを食べることで、冷えにくい土台づくりができます。秋から冬にかけての冷え対策にぴったりの食材です。


乾きにも熱にも効く秋の“巡らせ食材”
れんこん

れんこんは“涼性”で、ほんのり体を冷ましながら、胃腸を整え、肺を潤し、血をきれいに巡らせる働きがあります。夏の終わりから秋にかけては、乾燥や内側にこもった熱によって、便秘、のどの痛み、だるさ、肌荒れなどが出やすい時期。れんこんはそうした不調にそっと寄り添い、巡りを整えながら全身に潤いと元気を届けてくれる食材です。

疲れやすく、食欲が落ちているときに
れんこんと鶏肉の梅粥
疲れやすく、食欲が落ちているときに
れんこんと鶏肉の梅粥
血流を促し、冷えやだるさを吹き飛ばしたいときに
豚肉とれんこんのねぎ黒酢
血流を促し、冷えやだるさを吹き飛ばしたいときに
豚肉とれんこんのねぎ黒酢

内側から巡りを整える
冷えと滞りの万能ケア食材
生姜

生姜(しょうが)は“温性”で、体を温め、気血の巡りを促進し、冷えや老廃物を体の外へ追い出す力にすぐれた食材です。「巡らせる」「外に出す」「内側から温める」の三拍子を兼ね備えた、冷え性・疲労・代謝低下に悩む人の心強い味方といえます。

冷えと疲れが抜けないときに
巡り生姜鍋
冷えと疲れが抜けないときに
巡り生姜鍋
食べすぎ・重だるさを感じるときに
キャベツのジンジャーサラダ
食べすぎ・重だるさを感じるときに
キャベツのジンジャーサラダ

肺と胃腸をいたわる秋の体調リセットに
きのこ

きのこ全般は、食物繊維やミネラルが豊富で、“涼性”〜“平性”の性質を持つ種類が多く、カラダにこもった余分な熱をゆるやかにしずめながら、巡りや代謝を高めてくれる食材です。とくに秋のはじまりは、夏の疲れが残り、腸内環境が乱れやすい時期。きのこはそんなカラダを無理なくデトックスしながら、全身の元気を育ててくれる頼れる味方です。

腸内環境を整えたいときに
しめじとカシューナッツの塩炒め
腸内環境を整えたいときに
しめじとカシューナッツの塩炒め
血を養い、体内を浄化したいときに
きのこのおこわ
血を養い、体内を浄化したいときに
きのこのおこわ

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