今回は、休日を使ってよく出かける「道の駅」について紹介します。梅雨も明け、夏の青空を求めて、千葉県の最南端・南房総の6カ所の道の駅を回ってきました。絶景あり、グルメあり、人気の道の駅が目白押しです。ぜひ、ドライブがてらに訪ねてみてはいかがでしょうか。

そもそもの始まりは、いまから20年ほど前です。そのころは2人の子供も小学校低学年で、週末には近くの遊具の多い公園へお弁当持参で出かけていました。しかし、行くところも限られ、子供達も少し飽きてしまった感じでした。そんなある日、「次の週末はどこへ行こうか…?」と相談していたときに、購読している地元情報誌で、農産物などの直売をしている「道の駅」のことを知り、「行ってみよう!」ということになりました。

初めて行った道の駅は、地元の"朝穫れ野菜〟であふれ、鮮度抜群、お手ごろ価格でした。たくさんの野菜を買い、惣菜コーナーで、手づくりの海苔巻きやおにぎり、弁当やおかず類を買って、施設内の休憩スペースで昼食にしました。敷地内には遊具が併設されていて、子供達が夢中になって遊んでいたのを思い出します。

加工食品コーナーでは、自宅近くの食品スーパーでは見たこともない調味料やドレッシング、ごはんのお供の瓶詰め類など、目新しいものばかりが並び、おみやげに買って帰りました。
それをきっかけに、週末を利用しては行ったことのない道の駅へ出かけ、見慣れない食料品や食べたことのない野菜を試してみたりするようになり、週末に一、二カ所訪れるのが恒例になっていきました。

しばらくして、立ち寄った道の駅で「道の駅」専用のスタンプ帳を見つけて購入すると、私より子供達がスタンプ集めに夢中になり、道の駅めぐりが加速。「道の駅スタンプラリー」などのイベントが開催されると、さらに道の駅めぐりに熱中していきました。

そうするうちに、子供達がスタンプ帳をチェックして、次の週末はどこの道の駅に行くか、行き先のリクエストが来るようなりました。
この道の駅めぐりは長男が中学生になるまで続き、地元(千葉県内)の道の駅はもとより、近県まで足を延ばしました。茨城、埼玉の道の駅は制覇。群馬、栃木県内は8割程度を回り尽くし、山梨、長野、静岡まで足を延ばすようになりました。遠方へ出かけるときは、一番遠い道の駅から順に、帰路にある道の駅に立ち寄り、帰宅時間が遅くなりそうであれば、次の機会にスライドしました。

現在は妻と二人暮らしとなり、道の駅には新規出店や改装オープンの情報を見つけると出向く程度です。今回、房総半島の道の駅を周遊する計画を長男に話したところ大変乗り気で、久しぶりに家族で道の駅めぐりをすることになりました。

1カ所目は、「道の駅 保田小学校」です。こちらはメディアにもよく登場していますが、廃校になった校舎を活用して道の駅に生まれ変わりました。特長は教室をリノベーションして宿泊できるところです。日帰り入浴「里の小湯」も併設されているので、ゆっくりくつろげます。また、むかし懐かしい給食も味わえます。

道の駅 保田小学校

ここで「スタンプブック」を購入し、南房総限定のスタンプラリーの台紙を入手しました。わが家の「道の駅」めぐりが始まったきっかけでもあるスタンプ収集の楽しさが一気によみがえり、ハンドルを握る手も軽やかです。

2カ所目は、「道の駅 富楽里とみやま」です。こちらは、有料道路の富津・館山道路から、パーキングとして利用することができます。しばらく改装中で仮設店舗でしたが、先ごろオープン。生花や地元の野菜、鮮魚コーナーでは生けすでの販売もしています。フードコートも充実していました。

3番目に訪れたのは、「道の駅 とみうら枇杷倶楽部」です。〝房州びわ〟はよく知られていますが、シーズンになると直販コーナーが特設されます。また、「びわ」を使った加工食品や化粧品などもいろいろ販売されています。びわソフトクリームも人気です。今回、気になって購入した商品はびわの葉を使用した旨塩と七味唐辛子です。天ぷらやおそばで試してみたいと思います。

4カ所目は、「道の駅 三芳村 鄙(ひな)の里」です。こちらには、ツーリング好きのライダーのあいだで人気の「ビンゴバーガー」があります。さらに店舗の反対側には、足湯のコーナーと足つぼエリアが併設されていて、運転の疲れを取るのにピッタリ。立ち寄った際には、ぜひ利用してみてください。

5カ所目は、「道の駅 ちくら・潮風王国」です。ここは道の駅めぐりを始めたころに訪れたところです。当時は、敷地内から波打ち際の岩場へ下りることができたので、子供達が潮だまりで小魚やカニ、イソギンチャクなどを見つけて大はしゃぎしていたのを思い出します。訪問時は残念ながら岩場へは下りられませんでした。

潮風王国の下に広がる千田海岸。干潮時間には隠れていた岩場が顔を出し、海の自然観察にぴったりの潮だまりが出現する。現在は立入禁止

ラストは、「道の駅 和田浦WA・O!」です。ショップの規模は大きくありませんが、外にはクジラの骨格オブジェがあり、その大きさに驚きました。捕鯨に関する資料も展示してあり、店内にはクジラの加工食品など、ふつうのスーパーでは見かけない食品が多数並んでいました。

すっかり夢中になって、気づくと日もかげってきました。最後に内房と外房をつなぐ「道の駅 たけゆらの里おおたき」に立ち寄り、名産のタケノコを使った肉まんを買って帰途につきました。

各地域の道の駅連絡会ではスタンプラリーを開催している。写真上・右は関東「道の駅」スタンプブック。道の駅で使える割引クーポン付き

夢が広がる、全国1213の「道の駅」

全国には1213の「道の駅」があります(2024年2月16日時点)。地域の魅力がいっぱいつまった道の駅に出かけてみませんか。道の駅公式ホームページで、気になる道の駅を見つけてください。