Aグループのヤマ場で132組合が妥結

かつてない物価高騰が続くなか、2023賃金闘争は既報のとおり、闘争の相場づくりを担うAグループのヤマ場(3月15日)前に27組合が満額で妥結するなど、高額の賃上げが続いた。このような先行グループの頑張りを引き継ぎ、Aグループがヤマ場に精力的な交渉を展開。16日午前10時現在、延べ132組合が妥結。加重平均(組合員一人当たり)で1万3830円(4.56%)の引き上げと、物価上昇に負けない賃上げを実現している。パートタイム組合員の賃上げも91組合で時間当たり平均61.8円(5.90%)の引き上げを獲得。正社員の妥結率を上回り、雇用形態間の格差是正の流れが加速している。

約4割の組合で満額を獲得!

2023賃金闘争では、物価の高騰により、生活が疲弊しているなか、日々職場で頑張っている仲間の切実な声を背に、各組合は仲間の暮らしを守るために懸命に交渉を展開している。
今次闘争は既報のとおり、これまでに例がない、Aグループヤマ場前に27組合が満額で妥結。正社員、パートタイマー、契約社員ともに高額な賃上げの流れのなかでの闘いとなっている。
そんななか、闘争の大切な相場づくりを担うAグループがヤマ場(集中回答日、3月15日)を迎えた。
先行組合の頑張りを引き継ぎ、Aグループ173組合は、15日から16日未明にかけて果敢に交渉を追い込み、延べ132組合が妥結。正社員、短時間(パートタイム)組合員の妥結が、UAゼンセン結成(2012年)以後の2013賃金闘争から昨年までの実績を大きく上回り、約4割の組合で満額を獲得するなど、最も高い賃上げを実現。物価高騰に負けない賃上げの成果を上げた。
具体的に、正社員では、16日午前10時現在、117組合が妥結した。加重平均(組合員一人当たり)で1万3830円(4.56%)の引き上げ、うちベア等の賃金引き上げ分は9144円(2.95%)。対前年同組合比較では、6806円(2.24%)上回っている。
また、規模別では300名未満の組合の加重平均(1万5926円、5.27%)が額・率ともに、300名以上の組合(1万3799円、4.55%)を上回り、規模間格差の是正が進んでいる。
さらに初任賃金は92組合で妥結。高卒(61組合)で9868円(5.3%)、大卒(83組合)で1万3253円(5.9%)の引き上げを獲得した。

【正社員】一人平均1万3830円(4.56%)引き上げ
【7年連続 】パートの賃上げが正社員を上回る

パートや契約社員も大幅賃上げの成果

UAゼンセン組合員の約6割を占める短時間組合員の賃上げも成果を上げている。
パートタイム組合員の賃上げは91組合で成果を上げ、時間当たり61.8円(5.90%)の引き上げを獲得。正社員の4.56%(加重平均)を上回った。これで7年連続率で正社員の引き上げを上回り、雇用形態間の格差是正の流れが加速している。
また、契約社員の賃上げは19組合が妥結した。加重平均で月額1万675円(4.64%)の引き上げとなり、正社員の4.56%(加重平均)を上回っている。
賃金以外の総合労働条件の改善についても、これまで継続的に取り組んできた労働時間の改善や、あらゆる就業形態における公正処遇の実現を中心として幅広く交渉が行われている。とりわけ、人材育成に関して交渉を進めている組合が多く見られる。
Bグループ、CグループもAグループの頑張りに続こう。